バチェラー参加・藤原望未さんプロデュースのMs.CHARM 発信力生かし「女性の魅力引き出すサロンを」

特集・インタビュー

④元エイベックスの起業家が美容業界へ

── Ms.CHARMの構想や戦略などもお聞かせください。そもそもエイベックス出身の堀毛さんが、美容業界に参入したのはなぜですか?

堀毛 REEEDの共同パートナーである伊坂(享氏)と出会ったことがきっかけです。

伊坂はもともと、南青山のエイベックスの近くで、店長としてサロンを運営していました。そこに私がお客として3、4年通っていたんです。

昔から伊坂が独立を検討していたのは、サロンに通っていた当時から知っていたのですが、新型コロナウイルスの影響で世の中がパニックになっている時に連絡を取り合う中で、「独立に向けてぜひ一緒にやりましょう」と意気投合し、2020年6月に株式会社ReeeDを設立しました。

弊社グループがお店を出す際には、立地など厳格な条件を定めているのですが、その条件をクリアした物件が半年ほどで見つかり、2021年4月にREEEDをオープンしました。

Ms.CHARMの経営面を支えるオーナーの堀毛さん

── 堀毛さんはエイベックス在籍時、新卒1年目ながら会社から出資を受け、起業もされたんですよね。

堀毛 はい。起業した会社では、エンターテイナーとファンをつなぐエンタテイメントプラットフォームを運営していました。

日頃から経営者目線で「自分が美容室を経営するならこうしたい」と考えていたことや、伊坂の人柄や技術が好きで彼の独立を後押ししたいと思ったことが、参入の決め手となりましたね。

── これまでの経験が、美容業界でも生きているなと思うことはありますか?

堀毛 うちは、コンテンツマーケティングに強みがあると思っています。

コンテンツが良くても、「いつか広まる」ではダメ。通常5年、10年かかって良さが伝わるところを、短い期間で一気に知ってもらい売れっ子にすることが大事です。

実際REEEDでは、もともと伊坂が持っていた圧倒的な技術力を、SNSを駆使したマーケティングで広めていき、短期間で軌道に乗せることができました。

また、REEEDのオープン時には、伊坂のほかに24歳と26歳のアシスタント(現在はトップスタイリスト)がいたのですが、当時、指名売り上げが月10~30万円だったのが、今では2人とも月450万円の売り上げを持っています。

月200万円を超えると美容師として一流と言われますが、彼らはそれをはるかに超える素晴らしい実績をわずか1年半であげています。

新卒でエイベックスに入り、1年目にして社内の支援制度を使って起業した堀毛さん

⑤美容師とタレントは似ている

── 短期間でそこまで売り上げを伸ばすことができたのは、やはりSNSの運用に力を入れたからですか?

堀毛 はい。当然ベースとなる技術力は大切ですが、SNS運用に真剣に取り組むことが売上を伸ばすための重要なポイントです。

その中でも、SNSは投稿して終わりではなく、投稿した上でターゲットにきちんと気づいてもらえるかが重要になります。

たとえばですが、Instagramに投稿する際、ほかのユーザーに対してメンションを付けられる機能がありますよね。きちんとお客さまに対してメンションを付けてあげれば、そのお客さまが美容師をフォローするきっかけになり、フォローによって継続的な来店につながるベースをつくることができます。

── 継続的な来店につながるベースをつくるとは、どういうことでしょうか?

フォローされれば、美容師の技術力や日常の様子などを含めた継続的なプル型の投稿をお客さまに見てもらうことができ、その美容師の本質的な良さをより多く知ってもらえる機会を獲得することができます。

また、一連の流れから生まれたSNS上でのコミュニケーションによって、お客さまにとってはうちの美容師が心理的に近い状態をつくることが可能です。さらに現在のInstagramでは、やり取りをした人の投稿が前方に表示されやすくなるため、結果としてお客さまにご来店いただける確率が高まります。

── Instagramのアルゴリズムをきちんと把握して、実践することが大事なんですね。

そうですね。また、お客さまがうちの美容師とやり取りを重ねることで、うちの美容師アカウントはInstagram上で美容室を探しているユーザーに表示すべきだと判断されやすくなり、Instagramでの「おすすめ」欄に表示される確率を高めます。

その結果、投稿したコンテンツがしっかりフォロワー以外のユーザーにも届くため、より多くのご予約につながっています。

これは100以上あるノウハウのほんの一例ですが、しっかりとしたロジックに基づき、再現性のあるSNS運用を行うことが売り上げを伸ばすためのひとつの秘けつです。

Ms.CHARMの写真撮影スペース
SNS運用に力を入れるMs.CHARMの店内には、写真撮影専用のスペースがある

── REEEDで培ったノウハウを、Ms.CHARMでも活用していくのですね。

堀毛 美容師とタレントは結構似ているところがあるんですよ。タレントを育てるつもりでサロンを運営しています。

今はテレビのタレントでなくても、藤原さんのようにSNSで求心力のある個人がインフルエンサーになれる時代です。

サロンに来るお客さまも「このお店の、この美容師さんに」という感覚でしょう。美容師という個人がしっかり自ら集客でき、ファンをたくさんつくれるようサポートできればと思っています。

⑥女性の魅力を引き出すサロンに

── 最後に、今後の目標をお聞かせください。

藤原 お客さまにサロンに来た時だけ綺麗になってもらうのではなく、おうちでのセルフケアの仕方などを教えたり、似合う髪型を発見してあげられるサロンにしたいです。

2回目、3回目と来店を重ねていく中で、その人の持っている魅力をどんどん引き出していきたいと思っています。

Ms.CHARMの堀毛太一氏、藤原望未氏、山本辰実氏
3人それぞれが強みを生かし、サロンの成長につなげていく

── 山本さんと堀毛さんはいかがですか?

山本 人に教えることや、チームを作ることが好きなので、スタッフを増やして、お店を盛り上げていきたいです。

堀毛 SNSマーケティングの仕方や、技術力の向上など美容師一人ひとりが伸びていける環境をきちんと用意していければと思います。

Ms.CHARMでは売上を伸ばすノウハウ、高い歩合率、自由な働き方など美容師さんが「働きたい」と思うような労働環境を実現しています。また、立地やイタリアから取り寄せた大理石を使った豪華な内装など、美容師さんそしてお客さまからもご満足いただけるお店をつくった自負があります。

ですが、まだまだ現状に満足せず、多くの美容師さんから「うちに来たい」と思ってもらえるようなより良い美容室づくりをしていきたいです。

ゆくゆくの話ではありますが、Ms.CHARMとして次の店舗展開なども模索していきたいなと思います。

Ms.CHARM(ミズチャーム)
「バチェラー・ジャパン」シーズン4に参加した藤原望未氏がプロデュースし、2022年8月に北青山にオープンした女性向けサロン。運営会社はインフルエンサーやクリエイターのビジネス立ち上げから運営のサポート業務全般を行う株式会社FunDo(ファンドゥ)。代表は山本辰実氏、オーナーはエイベックス出身の起業家・堀毛太一氏らが務める。
▽住所=東京都港区北青山2-9-13斎藤ビル1F
▽ホットペッパービューティー=https://beauty.hotpepper.jp/slnH000606615/

取材・編集/杉野碧 文/牧野直樹 撮影/漆戸美保

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