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憧れの北海道で起業しサロン経営に失敗、美容機器で再起の波乱万丈人生 リー・プログループ小山直文社長インタビュー(後編)

④商品開発やパッケージデザインも社内で

── 美容機器の商品開発は多くの社員が参加しているそうですね。

中身の基板に関しては僕がやりますが、皆が参加して商品の色や形を話し合ったり、パッケージデザインも社内の皆でやっているんですよ。

若い社員もすごくがんばっています。自分がデザインしたパッケージの中に商品が入ってる喜びや、皆でものづくりができることを知ってほしいです。そうするとチームワークができますからね。

── チームや組織づくりにも力を入れているのでしょうか?

組織はキーマンが去ったら簡単に壊れますから、そうならないように配慮しています。

実務をやって実際に売上を上げているのは社員たちです。僕にはビジョンはありますが、実務はできません。社長の仕事は、資金繰りとビジョンを考えることと責任をとることだけです。だから組織は大事ですよね。

社員一人ひとりの目標が書かれた手書きの張り紙

⑤30周年を機に終身雇用制度を確立

── 30周年を迎えるリー・プログループ社長としての考えをお聞かせください。

「終身雇用制度を確立します」と宣言します。社員はもちろん、当社に関わる代理店は社員ではないのですが、10年や20年の長い付き合いなんです。そういう人たちにこれからも安心して働いてもらいたいと思っています。

良い時も悪い時も関係なく、長く一緒にやってきた。これは愛社精神ですよね。だから僕はきちんと環境をつくって終身雇用をやりたいと考えています。

── 終身雇用制度というのは、今の時代では珍しいですね。なぜそれを確立しようと思われたのでしょうか?

終身雇用は人件費が高くつくといわれていますが、もし美容関連事業で全く売り上げが上がらなくなったとしても、今の経営状態なら不動産収入があるのでまかなえると思います。

当社は札幌市内の自社ビルをはじめ、マンションなどの不動産収入や、発電事業の収入、商標や特許などの知財収入があります。経営状態が盤石化しているから挑戦できるんです。

「良い時も悪い時も一緒にやってきた人たちを終身雇用したい」と語る小山社長

人生と経営で大切なのは「即断即決」

── 大きな構想や計画をしっかり立てて経営を進めていますが、そのためにやっていることはありますか?

事業計画書を書くのが得意なんですよ。これまでも事業計画書だけで資金繰りをしてきました。事業計画のもとになるのは「忘れないノート」です。これはめちゃくちゃ大事ですね。

思いついたら忘れないように全部書いて、終わったら消していく。そして繰り越す。話だけではなくて「ずっと言い続けたら叶う」と思ってここまできました。夢をいつもリアルに考えています。

── 波乱万丈な人生をうかがってきましたが、経営で大切にしていることは何でしょうか?

「即断即決」です。思いついたら即行動して、ダメだったらすぐ辞める。迷うならやれ。即断即決しかないですよ。何でも、タイミングですからね。

小山 直文

株式会社リー・プログループ
株式会社シー・ビー・エス
株式会社粧薬研究所
代表取締役

KOYAMA NAOFUMI/東京都田無市(現西東京市)出身。幼少期から北海道に憧れて育つ。高校卒業後、大手電機メーカーの東芝エンジニアリングに入社。5年間勤務し、社長賞を獲得。その賞金で行った北海道旅行の際、現地での起業を決意。23歳で起業し、1993年にリー・プロを設立。水関連ビジネスやダム水位解析プログラム事業などを経てエステティックサロンを全国展開。その後、事業に失敗して莫大な借金を抱えるが、探偵業や美容ディーラーを経て美容機器メーカーとして成功。2021年にシー・ビー・エスをM&A。総合美容メーカーとなったことを機に、リー・プロからリー・プログループへ社名変更。現在に至る。

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