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ナンバースリー・石田伸之さん。世界に通用するモノづくりを体現した「HUE」の魅力

⑤ヘアカラーとの相性抜群。髪本来の強さを取り戻すヘアケアシリーズ「ヒュウケア」

―― ヒュウカラーのあとに登場したのが、ヘアケアシリーズのヒュウケアですね。

はい。シャンプーとトリートメントがヒュウケアのファースト商品です。

同じヒュウブランドのヘアカラーと相性が良いものをつくろうと考え、シャンプーとトリートメントからスタートしました。

(左から)シャンプー、トリートメント、スカルプセラム、ヘアオイル

―― ヘアカラーとの相性が良い。それはダメージと色持ちのどちらに効果があるのでしょうか?

両方です。特長としては「ヴィーガンプレックス」という成分を配合しています。

ヴィーガンプレックスとは毛髪を補修する自然由来の「レブリン酸」のことで、毛髪を強くする働きのある成分です。

毛髪のキューティクル、コルテックス、メデュラの3層をケアするPLM処方で、カラーの褪色を防ぎます。

―― PLM処方とはどのようなものですか?

PLMは、毛髪保護成分の「ポリリジン(Poly Lysine)」、毛髪補修成分の「レブリン酸(Levulinic Acid)」、毛髪保護成分の「リンゴ酸(Malic Acid)」の頭文字をとった言葉です。

この植物性成分3つの力で、褪色を防ぎながらダメージをケアします。

自社のヘアカラーでテストを繰り返し、褪色ケアの効果が高いという評価を得て販売に至りました。

ボトルにはバイオマスプラスチックを採用しています。

バイオマスプラスチックは、再生可能な植物由来の有機資源を原料につくられたプラスチック素材。環境配慮型のプラスチックです。

ウェルビーイングな商品づくりをするため、ヒュウヘアケアシリーズの容器にはバイオマスプラスチックを使用しています。

バイオマスプラスチックでつくられたボトル。薬剤成分だけではなく容器の素材にもこだわっている

―― 頭皮用のケア商品としては、スカルプセラムが発売されています。こちらも人気の高い商品だとか。

ヒュウヘアケアシリーズのなかでも一番売れている商品です。スカルプセラムの役割は、頭皮の保湿と頭皮環境の改善にあります。

ヘアカラー後はどうしても髪や頭皮が乾燥してしまうので、そのケアをするために開発しました。

頭皮環境に関連して考えたのが、白髪が生えにくい状況をつくるにはどうしたらいいのかということ。

頭皮環境を改善するために、乾燥の原因となるアルコールは使わない。

ではアルコールを使わずにどうやって美容成分を浸透させるのかと考えた結果、頭皮にやさしい浸透性の保湿成分「ネオソリューアクリオ」を採用することにしました。 

―― すでに頭皮が乾燥している場合は?

分子量の違う4つのヒアルロン酸を配合しているので、頭皮を保湿しながら浸透力も高められます。

また「ヴィタメラニン」という自社オリジナルの保湿成分をふんだんに配合しているのも特長です。

シャンプーは毎日する人が多いのですが、頭皮ケアが日々の習慣になっている人はあまりいません。

しかし筋トレをコツコツ続けると少しずつ筋肉がつくのと同じで、頭皮ケアを毎日続けると健康な頭皮になりますし、血行が良くなって髪にハリが出てきます。 

そうして頭皮環境が整えば、髪が太くなったり、白髪の増加を抑えられたりするなど、さまざまな効果を期待できるのです。

「スカルプセラムは、一時期欠品で手に入りにくくなったほど、たくさんのご注文をいただきました」

―― ヴィタメラニンは今までも他社の商品に入っていた成分なのですか? 

自社で独自に開発した成分なので、他社の商品には入っていません。

―― 美容師さんたちからの評価も高いとよく聞きます。一時期は欠品の状態が続いたとか。

私たちが思っていた以上の評価をいただきました。特に使ったあとのサッパリ感やスッキリ感といった使用感の評価が高い。

また「頭皮のかゆみが減った」「髪のボリュームが出た」という感想もいただきます。お客さまの頭皮状態が良くなったと美容師さんから言っていただくことが多いです。

―― そして2月に新商品「ナンバースリーヒュウケア ヘアオイル」が発売されました。改めて商品について教えてください。

ヘアオイルは、ヘアカラーの褪色を防止するのはもちろん、パサつきがちなカラー後の髪にうるおいを与える保水型オイルです。

今一番良く使われているスタイリング剤は、オイル系だといわれています。

ナンバースリーではカラーの褪色を防止すると同時に、ケアやスタイリングにも使える万能なヘアオイルをつくりたいと考えていました。

理想的な質感とツヤが続くヘアオイル

―― 各メーカーがさまざまな種類のヘアオイルを出していますが、ヒュウケア ヘアオイルの強みはどこでしょう?

ヴィーガン、ピータ、ハラール認証を取得しているヘアオイルというのが一番の強みです。

その認証を取得するには植物性でないといけないため、ダイズタンパクをはじめとする植物成分でつくっています。

ただ一般的な植物系ヘアオイルは、スタイリングに使うには物足りないほど軽くてサラサラなものが多いんですよね。

ヒュウケア ヘアオイルは、水のような質感なのに適度な粘性もある。ですから、サラッとした手触りのまま髪をまとめられます。

保水型のヘアオイルなので、濡れた髪に塗布してドライヤーの熱を加えると、キューティクル表面がコーティングされます。髪の内側からうるおいをキープし、サラッとしたまとまりが続くのが特長です。

手に取ったときにベタつかず、ケアだけでなくスタイリングもコントロールできるので、これ1本でオールマイティーに使っていただけます。

―― ヒュウとヒュウケア、本当にバラエティー豊かなラインナップですね。

幅広い層のニーズを想定するという意味で、ベーシックなグレイカラーもあれば、ポピュラーなヘアカラー、そしてヒュウ コンセントレートのようなニッチなヘアカラーもあります。

新しいヘアオイルをはじめケアアイテムもありますので、ナンバースリーで商材をそろえれば、ひとつのサロンを運営できる。 

それほど多岐にわたるラインナップを用意しています。

⑥ヒュウ、ヒュウケアともに、国際認証のヴィーガン、ピータ、ハラール認証を取得

―― ヒュウブランドの商品はヴィーガン、ピータ、ハラール認証を取得していますが、ほかの自社ブランドはいかがでしょう?

ヒュウブランドをはじめ、近年発売している自社ブランドはほぼすべてヴィーガン、ピータ、ハラール認証を取得済みです。以前から販売しているブランドについても、順次リニューアルなどを経て、ヴィーガン、ピータ、ハラール認証を取得しています。

ヒュウブランドはウェルビーイングな商品づくりを追及するため、ラインナップすべてに認証を入れているんですよ。

「動物実験をしないクルエルティーフリー認証も取得しています」

―― 美容師さんたちはそうしたヒュウブランドのコンセプトに共感して、商品を導入しているのでしょうか? それとも使用感の良さを気に入ってなのでしょうか?

両方だと思います。ウェルビーイングな商品づくりに共感して商品を導入していただいているサロンさまもあります。

また、サンプルを使ったりお客さまからの感想を聞いたりしたのをきっかけに、ヒュウブランドのコンセプトを知っていただくこともありますね。

⑦海外で勝負できるウェルビーイングな商品づくりを

「早くから海外を見てきたことで、海外で選ばれる商品という視点も養われた」と石田さん

―― ナンバースリー、そしてヒュウブランドの今後の展開について聞かせてください。

ナンバースリーの現在のポジションは、いわゆる中堅メーカーです。

昔はメイドインジャパンというだけで信頼してもらえたけれど、今はそれだけでは通用しません。

韓国や中国も、クオリティの高い商品を次々に製造していますから。

日本の技術やモノの価値、世界基準の認証などを含め、自信をもって提案できる商品でないと、世界的に勝負できないと考えています。

今後も、ウェルビーイングな商品づくりを掲げる日本メーカーとして、世界に誇れる商品の開発にまい進いたします。

石田 伸之 

ナンバースリー マーケティング部 クリエイティブ企画課 課長 

ISHIDA NOBUYUKI/2002年にナンバースリーへ入社。企画教育部にてセミナーやイベントを運営。2015年にマーケティング部へ異動し、数々のブランドの立ち上げに携わる。現在は商品のデザイン部門の統括と、広報・PR・WEB部門の統括を担当している。 

編集/大徳明子、佐藤友美 文/山本洋子 撮影/漆戸美保 

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