Agu.10周年。市瀬一浩社長が示す「新しい働き方とイノベーション」

特集・インタビュー

国内1000店舗、北米1000店舗、マザーズ上場へ

Agu市瀬一浩社長インタビュー
「国内1000店舗、北米1000店舗をめざします。世界のマーケットの中心であるアメリカで成功したい」

── 数の力、組織の力が活きますね。毎月、出店されていますが、目標店舗数は?

気持ちとしては2000店舗でも3000店舗でも出していきたいところですが、目標としては2023年中に国内1000店舗到達です。

海外も中長期的に1000店舗をめざします。アジアではなく北米での出店を計画しているのは、世界のマーケットの中心であるアメリカで成功したいからです。そのための準備を進めているところです。

── 日本の理美容室で最大規模ですね。莫大な資金が必要になりますが。

そのために2020年夏頃のマザーズ上場をめざしています。上場することで、まずは信用を深めたい。調達した資金は、人と物に投資していく計画です。

2018年に100 億円超の出資を受けて投資ファンドと資本提携したのも、ひとえに上場のためです。年間80店舗のペースで出店していますが、早期に1000店舗を実現したいと思います。

── フランチャイズ展開も加速するということでしょうか。

フランチャイズオーナーは現在の5倍ちかい100人前後にはなると思います。基本的にAgu.のスタイリストへの“のれん分け”という形を取り、本部でFCのバックオフィス業務やマーケティングサポートを行います。

最短だとAgu.に入ってから1年強でオーナーになっています。早期に成功できる環境をつくり、社内からの成功のロールモデルをつくることは、スタッフのモチベーションを高める意味でも重要だと考えています。数年後には「以前はFCオーナーだったが、本部に事業を売却し、今は本部の従業員として事業拡大に奮闘している」という人が複数でてくると思っています。

コンプレックスが人を成長させる

Agu市瀬一浩社長インタビュー
「美容業界を良くするためには、現役の経営者である僕らがよく話し合い、共にイメージするべきです」

── 市瀬さんが求めるのは、どんな人材ですか?

重視するのは、情熱とモチベーションの高さ、そしてコンプレックスがあるかないかです。

美容業界は長時間労働になっていますが、夢や目標が明確で、モチベーションがある人は生産性の高い働き方ができると思います。

── コンプレックスを重視するのは、なぜでしょう?

働く、稼ぐ上で大事な源泉だからです。僕の主観ですが、コンプレックスのある人の方が無い人よりも伸びます。

Agu.のフランチャイズオーナーは、コンプレックスのある人ばかりです。不器用な人ほど、中心にいる経営者となり、役職に携わっています。

── 市瀬さんご自身にもあるのですか

僕は目標だったカリスマ美容師にはなれなかった。頑張れなかったという後ろめたさは今でもあります。だからこそ経営者として、やれることはすべて実行していますし、追求していきたいと考えています。

Agu.の出店スピード、スタイリストやフランチャイズオーナーになるスピードは速いですが、それはスタッフの早期の成功を叶えたいからです。

また、メニューが手ごろな価格なのは、通いやすいお店にしたいからです。Agu.はお客様の生活の一部になりたいと思っています。

── 最後に、これからサロン経営をめざす人、経営に悩んでいる人にメッセージをお願いします。

まず『自分を第一に考えないこと』。自分自身を優先事項にしないということです。人が好きで、人のために自身の時間をいくらでも投資できたなら成功する確率が高まります。狭い視野やキャパシティーで考えてほしくないなと思います。

そして仲間がいるのですから、美容業界を良くするために現役の経営者である僕らは何ができるのか、もっとみんなでよく話し合い、共にイメージするべきです。

話し合えばすぐに何かが変わるものではないかもしれませんが、目標を定めるためのイメージは共有し合えます。あとは強くアウトプットするだけだと思っています。

市瀬一浩(いちのせ かずひろ)
株式会社AB&Company 代表取締役
茨城県出身。山野美容専門学校を卒業後、東京・青山の有名サロンに5年勤務して独立。池袋に業務委託サロン「hair salon alice」(Agu.の前身)を立ち上げ、2018年8月に300店舗を突破。2020年夏頃のマザーズ上場、2023年中の国内1000店舗、中長期的な北米1000店舗展開をめざす。

 
 

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