RVHがエステ事業撤退。ミュゼプラチナム、不二ビューティ2社を髙野友梨社長のG.Pホールディングに譲渡

経営・業界動向
RVHがエステ事業撤退。ミュゼプラチナム、不二ビューティ2社を髙野友梨社長のG.Pホールディングに譲渡

買収した美容エステティック事業2社を売却

東証二部上場の株式会社RVHは、2020年2月26日、連結子会社である株式会社ミュゼプラチナムおよび株式会社不二ビューティを株式会社G.Pホールディング(代表取締役:髙野友梨)に事業譲渡することを明らかにした。

2019年3月期売上高は、ミュゼプラチナムが393億5700万円、不二ビューティが104億5000万円で2社合わせて498億700万円。

RVHは連結売上高587億4000万円の大半を占める2社を売却して美容エステティック事業から撤退。アパレルやシステム開発事業に専念する。

不二ビューティの前身は、1973年設立の東京美機。創業社長である髙野友梨(たかの友梨)氏は2015年に会長へ退き、2017年にRVHへ売却。髙野氏は現在も会長の座についている。

髙野氏から見ると、3年前に売却した不二ビューティを買い戻し、ミュゼプラチナムを新たに入手したことになる。

また同日付で、2019年4月~12月期決算を発表。売上高は前年同期比5.9%減の422億700万円だった。

ミュゼプラチナムは譲渡価格21億2300万円

ミュゼプラチナム業績

ミュゼプラチナムの2019年3月期は、売上高が393億5700万円、営業損益が6億5200万円の赤字。

譲渡条件および店舗数は、次の通り。

〇譲渡株式数:200株(全株式)

〇譲渡価額の総額:21億2331万4654円

〇店舗数:ミュゼプラチナムブランド191店舗(前年同期177店舗)、ミュゼショップ1店舗(2019年11月初出店)、マキア120店舗(同93店舗)

※店舗数は2019年12月末日現在のもの

不二ビューティは譲渡価格57億3100万円

不二ビューティ業績

不二ビューティの2019年3月期は、売上高が104億5000万円、営業損益が2億700万円の赤字。

譲渡条件および店舗数は、次の通り。

〇譲渡株式数:19万株(全株式)

〇譲渡価額の総額:57億3091万7920円

〇店舗数:78店舗(前年同期83店舗)

※店舗数は2019年12月末日現在のもの

RVHが不二ビューティに対して有する債務をG.Pホールディングが譲受することで、不二ビューティの譲渡代金全額を相殺

ミュゼプラチナムについても譲渡代金(21億2331万4654円)のうち1億2300万円を同様に相殺する。

2社の譲渡は、2月26日開催の取締役会にて決議され、株式譲渡契約を締結。4月13日開催の株主総会で決議する予定。

競争激化と人手不足を理由に撤退

RVHは医療用集積回路の開発会社として1996年に創業。

2016年1月にミュゼプラチナム、2017年2月に不二ビューティと矢継ぎ早に買収し、ミュゼプラチナムが運営する美容脱毛サロン「ミュゼプラチナム」、まつげエクステ専門店「MAQUIA(マキア)」、不二ビューティが運営する「たかの友梨ビューティクリニック」を傘下に入れた。

RVHでは、ミュゼプラチナムおよび不二ビューティは一定の成果を上げてきたものの「美容エステティック市場は競争の激化や深刻な人手不足が続いている」ため、今後も「ブランディング強化・マーケティングに継続的な広告投資がかかる」「特集要因発生時の一時的運転資金など、一定量の資金確保が必要になる」ことを売却の理由としている。

RVHの第3四半期決算

2020年3月期第3四半期(2019年4月1日~2019年12月31日)※連結

▽売上高=422億700万円(前年同期比5.9%減)

▽EBITDA(※)=26億2500万円(同84.4%増)※営業利益+減価償却費+のれん償却額

▽営業利益=2億3200万円(―)

▽経常利益=4億3500万円(―)

▽税金等調整前四半期純利益=△10億7600万円(―)

▽親会社株主に帰属する四半期純利益=△22億6700万円(―)

通期の業績予想

RVHは2月14日付で、次の通り、通期業績予想を下方修正した。

主な理由は、消費増税の反動と、台風による一部店舗の休業。

RVH業績の下方修正

2020年3月期通期(2019年4月1日~2020年3月31日)<下方修正>

▽売上高=563億円(前年同期比4.2%減)

▽営業利益=2億5000万円(―)

▽経常利益=4億9000万円(―)

▽親会社株主に帰属する当期純利益=△23億円(―)

関連キーワード

注目キーワード

新着記事一覧   トップページ  
Top