ヤマノHD第3四半期は減収も美容事業は成長。M&Aで美容室100店舗超え

経営・業界動向
ヤマノHD第3四半期は減収も美容事業は成長。M&Aで美容室100店舗超え

美容事業は5.7%の増収

ヤマノホールディングスの2019年4月~12月期連結決算は、全体では前年同期比1.7%の減収だったが、美容事業は好調で前年同期比5.7%の増収だった。

美容事業はM&Aもあり、グループの店舗数が100店舗を突破。売上高15億8900万円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益2900万円(同245.8%増)と増収増益を達成した。

一方、和装宝飾事業やDSM事業(※)は減収。

和装宝飾事業の販促費増加やM&Aに伴う取得関連費用やのれん償却額の増加があり、連結経常損益は3100万円の赤字となった。

※DSM事業
ミシンの訪問販売から始まったヤマノホールディングスの主力事業のひとつ。ミシン・宝飾・呉服・健康関連商品といった健康および生活関連商品を、訪問販売や展示販売会を通じて販売。

ヤマノホールディングスの第3四半期決算

2020年3月期第3四半期(2019年4月1日~2019年12月31日)※連結

▽売上高=102億4600万円(前年同期比1.7%減)

▽営業利益=△3100万円(―)

▽経常利益=△3100万円(―)

▽親会社株主に帰属する四半期純利益=△9200万円(―)

通期の業績予想

2020年3月期通期(2019年4月1日~2020年3月31日)<修正なし>

▽売上高=141億円(前年同期比0.0%)

▽営業利益=2億円(同18.4%減)

▽経常利益=1億9000万円(同28.5%減)

▽親会社株主に帰属する当期純利益=1億円(同29.1%減)

ヤマノホールディングスの業績概要

セグメント別の業績は、美容事業が増収増益、和装宝飾事業とDSM事業が減収減益だった。

ヤマノHD決算セグメント

美容事業

美容事業は、売上高15億8900万円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益2900万円(同245.8%増)。

首都圏を中心に「La Bonheur(ラボヌール)」15店舗を展開する株式会社L.B.Gを2019年10月1日付で子会社化したことで、ヤマノホールディングス傘下の美容室数は100店舗を突破し、102店舗となった。

また、前期(2018年7月)に取得したネイルサロン「みうら」のハンドケアを、ヤマノの既存店舗(西日本エリア7店舗)で導入した結果、単価アップに成功。今後、全店でハンドケアメニューを導入する予定

同社が新業態と位置づけるロープライス美容室「Cut & Color AY」も好調。今後も、既存店舗のロープライス美容室への変更を進めるとしている。

和装宝飾事業

和装宝飾事業は、売上高75億5600万円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益3700万円(同70.6%減)。

2019年11月29日付で、株式会社かのこ より和装小売店8店舗を事業譲受。

この分の売上高への寄与は第4四半期からとなり第3四半期には経費のみ計上されることや、展示販売会の実施時期変更に伴う販促費増加などが響き、減益となった。

DSM事業

ミシン・宝飾・呉服・健康関連商品を訪問販売や展示販売会を通じて販売するDSM事業は、売上高10億9300万円(前年同期比15.1%減)、セグメント損失3000万円の赤字だった。

事業所数が前年同期に比べ8拠点減少。新規顧客の獲得や販売員の補強が難しいことなどが影響した。

M&Aで学習塾を取得

ヤマノホールディングスはM&Aを重点戦略と位置づけ、既存事業の強化のみならず、新事業への領域拡大を目指している。

2020年3月期は、既存事業の強化として、2019年10月に株式会社L.B.G(美容室)、11月に株式会社かのこ(着物専門店)を取得。

さらに事業領域拡大へのM&Aとして、2020年3月に、学習塾を運営する株式会社マンツーマンアカデミーを取得した。

2019年10月より、M&Aスペシャリストによる専属部署を設置しており、今後も積極的なM&Aを行っていく構え。

山野愛子生誕111年アニバーサリー

なお2020年は、ヤマノグループの創始者である故・山野愛子氏が1909年(明治42年)に生誕してから111年のアニバーサリーイヤー。

記念ロゴをもちいて、催事、集客、販売、店頭などで活用していく。

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