
総合大賞のパネルを持つ花王の野原聡ブランドマネジャー㊨とアイスタイルの遠藤宗社長㊧
花王100年のヘアケア研究からたどり着いた“ヘアケアの答え”。
トップメーカーの自負を示すキャッチコピーを掲げて市場にさっそうと登場した「THE ANSWER(ジ アンサー)」が、「@cosme(アットコスメ)ベストコスメアワード2025上半期新作ベストコスメ」の大賞に輝いた。
シャンプー・トリートメントカテゴリーの商品が総合大賞を受賞するのは初の快挙。アイスタイルは2025年6月11日、東京・表参道のザ ストリングスで、受賞アイテムの発表とトレンド分析を行った。
2025.06.11更新(2025.06.11公開)
発売7カ月で100万本突破の大ヒット
「THE ANSWER」は、ヘアケア事業変革の第2弾として開発された花王の肝入りブランド。2024年11月の発売から約7カ月で累計出荷本数100万本を突破した。これは当初計画の2倍以上だという。

各誌のベストコスメをすでに20件以上受賞しており、「日経トレンディ2025年上半期ヒット大賞」でも美容部門の大賞を獲得したばかり。
さらに今回、アットコスメの2025年上半期ベストコスメの大賞に輝いた。昨年11月から今年4月末までに新発売またはリニューアルされた約4000アイテムに対する約12万5000件のクチコミと約6000人へのアンケートを元に選ばれており、生活者の支持を体現するアワードでも、その圧倒的な人気ぶりを見せつけた。
「THE ANSWER」はシャンプーが400ml、トリートメントが220gでそれぞれ税別1600円。美容業界にとっては、サロン専売品とドラッグストア流通の市販品との価格差が縮まり、その評価も競り合っていることを感じる結果となった。

2015年にI-neが「BOTANIST(ボタニスト)」のヒット以降、ドラッグストアでは1本1500円以上のハイプレミアムカテゴリーのシャンプーがシェアを拡大しており、マツキヨココカラ&カンパニーのパーソナライズヘアケア「MQURE(エムキュア)」のようなプレミアムなPB商品も存在感を増している。
平均単価が過去6年比で1.7倍
世相が反映されるベストコスメは、不況下でプチプラコスメが大勢を占める年もあれば、デパコスが強い年もあり、昨年は国産の中価格帯コスメが席巻した。
今回、2025年上半期の総合ベスト10は、高価格帯の商品が多くランクイン。トップ10に入った商品の平均単価は6050円で、過去6年の比較で1.7倍に当たる。
順位 | ブランド (メーカー) | 商品名 |
1 | THE ANSWER(花王) | スーパーラメラシャンプー&EXモイストトリートメントFOR DAILY DAMAGE |
2 | コスメデコルテ(コーセー) | ルージュデコルテクリームグロウ |
3 | &be(=アンドビー、Clue社) | ブラックスポンジ |
4 | SK-II(P&G) | ジェノプティクスインフィニットオーラエッセンス |
5 | ルルルン(Dr.ルルルン) | ルルルンハイドラAZ マスク |
6 | ジバンシイ(LVMHファッション・グループ・ジャパン) | プリズム・リーブル・グロウ・セラム・ファンデーション |
7 | SHISEIDO(資生堂) | アルティミューンパワライジングセラム |
8 | ラロッシュポゼ(日本ロレアル) | UVイデアXL プロテクショントーンアップローズ |
9 | HAKU(資生堂) | メラノフォーカスIV |
10 | ロージーローザ(同) | パウダーファンブラシ |

アットコスメのリサーチプランナーの原田彩子さんと西原羽衣子さんは「物価高騰で『失敗したくない』という生活者の心理が働き、研究開発や技術力の高さが裏づけされている高価格帯の商品が指示されている」と分析している。
また下半期に向けては、「ミニコスメ」や異常気象の影響を受けた「秋の肌悩み」やがトレンド化するとの見方を示した。

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取材・文・撮影/大徳明子
