
枯山水を表現した「HIRO GINZA名駅西口店」のエントランス
美容サロンを中心に設計を手がけるタフデザインプロダクト。
1年間に施工した中から優れた店舗デザインを表彰する「TOUGH Design Award(タフデザインアワード)2024」のベストデザイン賞には、日本庭園をテーマとした「HIRO GINZAヘアーサロン名古屋駅西口店」が輝いた。
目次
理美容室を中心に年間1000件をデザイン

ビューティガレージのグループ企業であるタフデザインプロダクトは、年間1000件近い店舗設計を手がけている。2025年4月期は985件(100万円以上は340件)を施工し、売上高は35億2500万円に上った。
2回目となる「タフデザインアワード」では、グループ数百名の社員らの投票を経てベストデザイン賞1点、グッドデザイン賞4点が選出された。
枯山水に月、非日常な空間を演出(HIROGINZA)
栄えあるベストデザイン賞を受賞したのは、ヒロ銀座の名古屋2店舗目となる「HIRO GINZAヘアーサロン名古屋駅西口店」。
井口美紅さん、望月優さん、秋山日奈さんの3名のデザイナーが担当し、「日本庭園」をテーマに大人の男性が落ち着いてくつろげる高級感や上品さのあるサロンに仕上げた。





時間と共に“味わい深くなる”サロン(collina)
続いて、グッドデザイン賞には4点が選出された。東京・代官山の「collina(コリーナ)」は、開けた角地という立地で、自然光が贅沢に入る心地の良い美容室。
担当デザイナーの眞田恵人さんは「曲線やアクセントカラーなどのフォトジェニックな記号的モチーフを極力控えて、時間と共に“味わい深くなる”デザインにしました」と話す。



緊張感とリラックスの絶妙なバランス(mok)
同じくグッドデザイン賞の「mok(モク)神楽坂店」は、神楽坂の商店街から脇道に入ったテナントの2階に位置する。
担当デザイナーの稲村友輔さんは「緊張感とリラックスの絶妙なバランスを感じられるサロンに仕上がった」と振り返る。



ミッドセンチュリー+抜け感+ユーモア(nica)
グッドデザイン賞を受賞した東京・二子玉川の「nica(ニカ)」。担当デザイナーは、mokと同じく稲村友輔さんが務めた。


おもちゃ箱みたいな韓国コスメの自販機ショップ(HEPFIVE)
グッドデザイン賞に選出された「aiicosme HEPFIVE(アイコスメ ヘップファイブ)」は、サロンではなく韓国コスメのショップ。しかも通常の販売店ではなく、自動販売機を置いた無人店舗だ。
担当デザイナーの山下築さんによると、コンセプトは「バービー」。赤い観覧車で知られる大阪・梅田の商業施設ヘップファイブには、高校生や大学生が平日、週末を問わず訪れる。学生をターゲットに非日常を感じられる空間をデザインしたという。



美容サロン以外も3割に
タフデザインプロダクトが手がける領域は年々拡大しており、現在ではクリニックやショップ、飲食店など、美容サロン以外が約3割を占めている。
また拠点も、東京、大阪、名古屋、福岡、金沢と各地へ広がっている。若手にもベテランデザイナーにも日々の努力が実るモチベーションアップの機会となっているタフデザインアワード。次回はさらなる盛り上がりを見せそうだ。
文/大徳明子
