これからの資金繰り計画 キュービーネットHD、コロナ第2波も視野に3パターン

2020.05.21

キュービーネット(QBハウス)の資金調達計画

緊急事態宣言が解除されれば客足はすぐに戻るのか、ゆっくり戻るのか、戻る前にコロナ第2波が来てしまうのか。

誰にもわかりませんが、わかないからこそ予測をして準備をしておく必要があります。

キュービーネットホールディングスの売上見込みや資金調達計画(決算資料)が参考になるので見ていきます。

キュービーネットHDの第3四半期は増収増益

2020年5月15日に発表されたキュービーネットHDの2019年7月~2020年3月期決算は、売上収益161億6200万円(前年同期比6.2%増)、営業利益13億5300万円(同3.5%増)。

臨時休業は4月からだったため、3月の時短営業の影響はあったものの、前年より店舗数が増えていることなどから増収増益を達成しています。

2020年6月期第3四半期(2019年7月1日~2020年3月31日)※連結

▽売上収益=161億6200万円(前年同期比6.2%増)

▽営業利益=13億5300万円(同3.5%増)

▽税引前利益=12億5200万円(同0.1%減)

▽四半期利益=8億2900万円(同0.6%減)

▽親会社株主に帰属する四半期純利益=8億2900万円(同0.6%減)

▽四半期包括利益合計額=8億3000万円(同1.5%減)

通期予想は大幅下方修正、役員報酬を減額

一方、4月18日から全店で臨時休業した結果、国内の4月売上収益は前年同月の27.6%にとどまりました。今後も来店客数が通常通りに戻るまでには時間がかかるとの予想から、通期予想は大幅に下方修正しています。

また、5~7月の3カ月間、役員報酬を減額します。

2020年6月期(2019年7月1日~2020年6月30日)※連結

▽売上収益=186億7200万円(前年同期比10.5%減)

▽営業利益=1億9400万円(同90.2%減)

▽税引前利益=4700万円(同97.5%減)

▽当期利益=4900万円(同96.2%減)

▽親会社株主に帰属する四半期純利益=4900万円(同96.2%減)

役員報酬減額の内容

▽代表取締役社長=役員報酬月額の30%
▽専務取締役=役員報酬月額の20%
▽常勤取締役=役員報酬月額の10%

香港・台湾は早期回復、国内は5月8割減、6月3割減の予想

QBハウスやQBプレミアム、FaSS(ファス)を展開する各国の来店客数(既存店舗/前年同月比)については、下図のように予想を立てています。

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キュービーネット(QBハウス)の売上推移

〇日本 12.7%(5月)⇒ 70.5%(6月)

〇アメリカ 0%(5月)⇒ 34%(6月)

〇シンガポール 34%(5月)⇒ 88%(6月)

〇香港 113%(5月)⇒ 100%(6月)

〇台湾 111%(5月)⇒ 105%(6月)

香港、台湾は回復が早く、日本とシンガポールは6月には前年の7~8割程度まで回復、アメリカは時間がかかると見込んでいます。

日本については、6月になっても前年より3割ほど下回ると予想し、時短営業も視野に入れています。

3パターンで資金予想

資金のショートは経営破たんを意味します。そこでキュービーネットHDは、3つのパターンで必要な資金をシミュレーションしています。

下の折れ線グラフは、①来店客数は徐々に回復して2021年3月に前年比100%に戻る(青色) ②来店客数は前年比70%で継続的に推移する(水色) ③11月以降に緊急事態宣言が再度発令され4~5月と同程度になる(赤色点線)です。

キュービーネット(QBハウス)の資金調達計画

2021年3月時点での資金は「①来店客数が徐々に回復」なら約64億円、「②来店客数が前年比70%で推移」なら約42億円、「③11月以降に緊急事態宣言が再度発令」なら約22億円。

家賃や人件費などの固定費、借入金の返済などの支出があるため、売り上げが下がる分、会社の資金が減っていくことになります。

①と③では、残る資金に40億円以上の開きがありますよね。

そこで、キュービーネットHDでは、コミットメントライン契約と当座貸越契約によって5月中に40億円の資金調達を行う予定です。

コミットメントライン契約とは、期間と限度額を決めた上で銀行からいつでも融資が受けられるようにしておくというもので、同社は4月にも30憶円の契約を交わしています。

仮に「③11月以降に緊急事態宣言が再度発令」の事態になっても40億円調達できるので手元資金は60億円になります。

これは同社にとって、通常の月間連結経費(約16億円)の3.8倍にあたるため、資金がショートする心配はほぼないと言えます。

コミットメントライン契約は、財務内容がよいと判断されれば中小企業も利用できますが実際は難しいと思います。

現状としては、コロナ対策関連の融資や補助金で資金を確保し、キュービーネットHDのように複数パターンの予想を立て、どのタイミングで資金が不足するかをシミュレーションしておくのがよいでしょう。

いつ、どのくらい資金が不足するかで、店舗や人員の整理を決断するタイミングが決まります。

客足が戻り、お店もスタッフも守ったまま業績が回復するのが理想ですし、それに向けた努力が必要なのはもちろんですが、資金ショートによる倒産を防ぐには、こうした考えも必要です。

資金がショートして突然全店倒産するよりは、わずかかもしれませんが辞めるスタッフへいい条件と準備期間が用意できます。

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新型コロナ感染拡大下での動き

なお、キュービーネットHDが新型コロナウイルス感染拡大下でどのように行動してきたのか、国内、海外でまとめられています。

キュービーネット(QBハウス)の国内の動き

キュービーネット(QBハウス)の海外の動き

その上で、今後1年間の基本方針として、次の3つを挙げています。

キュービーネット(QBハウス)の年間ポリシー

また、3密への対応策も明確にしています。

多くのサロンがしていることではありますが、美容業界関係者が思っているほどには一般の方には伝わっていません。

SNSで紹介するほか、予約サイトのメニューにも明記することをおすすめします。特に「マスクを外さなくてはいけないのかと不安」という方は少なくないので、「マスクしたままヘアカラーOK」などと書き添えるとよいかと思います。

キュービーネット(QBハウス)の衛生対策

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以上、キュービーネットHDの取り組みをご紹介しました。

資金がショートすると破産、倒産となってしまいます。ぜひ、資金繰りを確認しシミュレーションを行ってみてください。

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