IJK芝原俊輔さんが語る 「美容室経営者の僕がなぜ バーやトレーニングジムをつくるのか」

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IJK芝原俊輔さんが語る 「美容室経営者の僕がなぜ バーやトレーニングジムをつくるのか」

成功モデルを築いたら多店舗出店で水平展開というのがビジネスのセオリー。しかし、IJK OMOTESANDO代表の芝原俊輔さんは「1業種1店舗」を信条としています。

2016年4月に弱冠25歳で美容室「IJK OMOTESANDO」を創業し、2019年6月に深夜食堂「BAR Lm.」、そして2020年10月にはパーソナルトレーニングジム「IJK GYM」をオープン。次々と異業種へ参入する理由を聞きました。

IJK OMOTESANDO代表の芝原俊輔さん㊨とIJK GYMトレーナーの福島拓也さん

同じ建物内で美容室とジムを連動

IJK OMOTESANDOの建物内にIJK GYMがある
2階に美容室、4階にジムという立地
 

──IJK GYMは、IJK OMOTESANDOと同じ建物にあるのですね。

勝ち筋を考えると、ジムは美容室と同じ建物の中にあることが譲れない条件でした。

トリートメントやヘッドスパを追加オーダーするくらいの気軽さで「今日ジムも行けます?」と言えたり、トレーニング後にシャワーで濡れた髪のまま美容室に移動してブローを頼んだり。そんなことができてしまう、面白くて他にないジムをつくりたかったんです。

IJK OMOTESANDOのお客さまなら、ジムの入会金なしで1回単位のスポット利用OK。ドライ&スタイリングのメニューを2000円で用意しているので、午前はジム、美容室で髪をセットして午後からデートということもできちゃいます。

IJK GYMのアメニティ
IJKオリジナルブランドをはじめとする充実のアメニティ

──それは面白いですね。でもジム通いは荷物も多いですし、他の予定を入れにくいのでは?

そこなんですよ。僕自身、以前からジムに通っていたんですけど、荷物がかさばる。だからIJK GYMは手ぶらで利用できることにこだわっています。

トレーニングウェアやシューズ、アメニティはすべてジム側で用意し、準備や持ち運びのストレスを極力なくしました。

アメニティのシャンプー&トリートメントは、オリジナルブランド「IJK OMOTESANDO ラグジュアリーシリーズ」、男性向けには「BULK HOMME」をそろえていて、どちらもジムで購入できます。敏感肌の方のためのブランドも用意していますよ。

ペルソナは自分自身とスタッフ

──芝原さん自身の利用経験を反映しているのですね。

僕が手がけるビジネスのペルソナは、僕自身とスタッフ。自分たちが欲しい店、利用したい店をつくっています。

例えば「BAR Lm.」は、IJK OMOTESANDOから徒歩10分ちょっとの距離で、僕もスタッフもお酒が好きなのでよく利用しています。長い人生を考えると健康が大事なので、味の良い低糖質メニューにこだわりました。バーだけど料理がおいしい深夜食堂です。

ジムについては、スタッフ全員で福利厚生として通っていたジムがあったけど、コロナによって閉店したため自分でつくりました。

スタッフはBAR Lm.を半額で利用できて、IJK GYMには無料で通えるので、福利厚生にもなっています。

深夜食堂「BAR Lm.」
芝原さんとスタッフの行きつけになっているという深夜食堂「BAR Lm.」

──それはうれしいですね! 芝原さんの徹底したスタッフファーストには驚かされます。

お金がなくて苦労するという思いをスタッフにはさせたくない。IJK OMOTESANDOのバックヤードには炊飯器を用意しているので白米が食べ放題です。もっと稼ぎたいというアシスタントは副業としてBAR Lm.を手伝うこともできます。

スタッフが友達とBAR Lm.に行った際の割引もありますよ。「ここ、うちの店だよ」って友達に自慢できるのっていいですよね。

様々な業種を手がけることでスタッフの福利厚生を充実できるし、異業種を経験することでスタッフ自身の成長にもつながっています。

「1業種1店舗」にこだわる理由

芝原俊輔さん(IJK OMTESANDO代表)
トレーニングを終えたら、ジムのテラスで風を感じながらクールダウン。おすすめのプロテインを提供する

──なるほど、複数の業種を展開することには様々なメリットがあるのですね。その上で、美容室自体は多店舗展開をした方が効率的ではないでしょうか?

効率でいったらそうですね。ここに出店すればもうかるなと思うことも正直あります。

でも僕は、毎日みんなに会えるということを大事にしたい。IJK OMOTESANDOでは新しく人を採る際はスタッフ全員で面接しているんですけど、スタッフ同士の仲が良くて一体感がある。今いるスタッフをバラバラにしたくないので、美容室は1店舗だけです。

1店舗でスタッフ100人とかにしたい。そんな美容室、今までないですよね?

人がすでにやっていることは面白くない。人がやっていないことをやりたいんです。1業種1店舗でいろいろなことに挑戦していきます。

──異業種への挑戦において、美容室を経営しているからこその強みはありますか?

世間では名簿上だけで会ったことのないお客さまも顧客と呼びますが、美容師には「しゃべったことのない顔を知らないお客さま」は一人もいません。圧倒的な量の対話で築かれた人間関係、LINEですぐにコンタクトできるつながりがある。うちのスタッフは特に、お客さまと仲がいいんです。

異業種参入では、まず存在を知ってもらうのに時間やコストがかかるけど、美容室のお客さまに「今度バーをオープンします。ジムを始めます」とお知らせできるのでスタートダッシュが切りやすい。

この強みを活かせば、飲食でも不動産でもどんどん業種を広げていくことができます。特に今回のトレーニングジムについては、トータルビューティーという意味でも美容室と相性がいいと考えています。

髪と身体でトータルビューティー

──トータルビューティーということは、利用客は女性中心でしょうか?

トレーナーの福島が大会で優勝するレベルのガチなボディビルダーなので、本格的なトレーニングをしたい男性から美容室のついでに利用する女性まで、利用者層はかなり幅広いです

そもそもIJK OMOTESANDOは、美容室としては男性客の比率が高くて3割を占めます。僕のお客さまは、社会的地位の高いビジネスマンが多いんです。IT系の社長が日本で一番多く通う美容室なんじゃないかと思っています。

IJKジムのトレーナーの福島さん
トレーナーの福島さんはコンテストで優勝するほどの実力者

──トレーナーの福島さんにお聞きします。IJK GYMのおすすめポイントは?

IJK GYMは、完全個室で1対1のパーソナルトレーニングジムです。

ジムは初めてという方から本格的なボディビルディングでコンテスト出場を目指す方まで、どんな方にもトレーニングを楽しんでいただけるよう、その方にあったプログラムをマンツーマンで提供します!

トレーニング器具は、ハイグレードなものでそろえています。代表の芝原にどうしてもと無理を言って、TUFFSTUFF社製のものにしてもらいました。スミスマシン(筋力トレーニング器具)は80万円以上もする受発注品で、アメリカから数カ月待ちで取り寄せたものです。

スミスマシンと芝原俊輔さん(IJK OMTESANDO代表)
はるばるアメリカから取り寄せたというTUFFSTUFF社製のスミスマシン

──最近の大会で優勝されたそうですね。

11月3日に開催された「サマースタイルアワード関東大会」で初めて総合優勝することができました。俳優の金子賢さんが実行委員会代表を務めている大会です。

今後も自分磨きを続けて、正しい知識をもって皆さまのトレーニングを全力でサポートさせていただきます!

──たくさんのトレーニングジムがある中、なぜ美容室オーナーが経営するジムを選んだのですか?

トレーニングで身体を整え、美容室で髪を綺麗にする。トータルビューティーの提供に魅力を感じました。

そして何より芝原さんと一緒に働きたい。この気持ちが1番の決め手でした。

──福島さんから見た「芝原俊輔」は、どんな経営者なのですか?

常に、お客さまやスタッフなど、周りの人がどうしたら幸せになれるかを考えてくれています。

経営者としての尊敬はもちろんですが、人として心から尊敬していますし、自分も芝原さんのような男になりたいと常に思わせてくれる人です。

IJK OMOTESANDOオーナー芝原俊輔さんとIJK GYMトレーナー福島拓也さん

──最後に、芝原さんに改めてお聞きします。IJK GYMはどのような場所と位置づけていますか?

IJK GYMは「美の答え合わせをする場」です。

自分一人でコツコツ続けるというのは難しいし、やり方が合っているか不安になるものです。だからプロフェッショナルと「これでいいんだ」と答え合わせができる場があると、継続のモチベーションが上がります。

ホームケアで髪を手入れして次に美容室に行ったら美容師にほめられる、日々トレーニングを続けてジムに行ったら成果を確認してもらえるというのが大事です。

IJK GYMとIJK OMOTESANDOを連動させることで、髪と身体、全身のトータルビューティーを実現します。

– – – – –

美容室「IJK OMOTESANDO」、深夜食堂「BAR Lm.」、パーソナルトレーニングジム「IJK GYM」に加え、来年にも新たな業種への進出を予定しているという芝原さん。「人がやっていることは面白くない、人がやっていないことをやりたい」との思いを抱き、「美容室経営の強みを活かせば、業種は広げられる」と確信する若きリーダーの挑戦は止まらない。

芝原俊輔
しばはら・しゅんすけ/IJK OMOTESANDO代表

1990年、大阪府生まれ。高津理容美容専門学校を卒業後、東京・表参道の有名美容室に入社。入社1年目にスタイリストデビューを果たし、社内最短でトップスタイリストに昇格。ロンドン・ヴィダルサスーンアカデミーへの留学、ヘアショー・ファッションショーを経験。25歳で独立して2016年に「IJK OMOTESANDO」を表参道にオープン、2019年に拡張移転。「1業種1店舗」を信条に、2019年に深夜食堂「BAR Lm.」、2020年にパーソナルトレーニングジム「IJK GYM」をオープン。

福島拓也
ふくしま・たくや/IJK GYMトレーナー
大学時代にトレーニングを通して「人は自分次第で変われる」と気づき、トレーナーの道へ。得意分野はボディメイクとシェイプアップ。トレーナー歴2年目にして、ボディコンテスト「サマースタイルアワード」に出場し、全国大会でTOP10入賞という結果を残す。その後も東京大会5位入賞、横浜大会3位入賞。2020年の「サマースタイルアワード関東大会」において総合優勝を果たす。

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