「サロン専売品はアマゾンで正規販売されるのか」 業務資本提携のアイスタイルが説明

経営・業界動向

大きな話題を呼んだアイスタイルと米アマゾンの業務資本提携。

発表から一夜が明けた8月16日、アイスタイルは2022年6月期決算および事業計画について説明会を開催。

あわせて業務資本提携についても吉松徹郎社長兼CEO、新社長に内定した遠藤宗氏らが展望を語った。

「サロン専売品はアマゾンで正規販売されるのか」 業務資本提携のアイスタイルが説明

3期連続赤字も過去最高売上高

東京・京橋で開かれた説明会には、吉松徹郎社長兼CEO、菅原敬取締役兼CFO、プラットフォーム事業セグメント長の濱田健作氏(オンプラットフォーム事業)、遠藤宗氏(ビューティーサービス事業)が出席した。

吉松徹郎社長兼CEO、菅原敬取締役兼CFO
新型コロナ前の業績を上回る過去最高の売上高を達成(吉松社長㊧と菅原CFO㊨)

アイスタイルの2022年6月期の売上高は、前年同期比11.2%増の344億100万円。化粧品専門店アットコスメストアが好調でECや広告事業も増収した結果、過去最高を達成した。

一方、利益については、ソフトウェア償却費やのれん償却費などがかさみ、2020年6月期から3期続けての赤字。営業損益4億5300万円、経常損益5億9300万円だった。

2022年6月期(2021年7月1日~2022年6月30日)※連結

■売上高
344億100万円(前年同期比11.2%増)

■営業利益
△4億5300万円(―)

■経常利益
△5億9300万円(―)

■親会社株主に帰属する当期純利益
△5億7100万円(―)

※包括利益 5億7100万円(同8.5%減)

アマゾン内にアットコスメショッピング出店

美容業界関係者が懸念しているのは、近いうちに米・アマゾンがアイスタイルの筆頭株主になり、アマゾンジャパンとの具体的な協業のひとつとしてAmazon.co.jp上にオンラインストア「@cosme SHOPPING(アットコスメショッピング)※仮称」をオープンするとの発表内容。

現在、アットコスメの姉妹サイトとして運営されている「アットコスメショッピング」のヘアカテゴリーには、理美容室の店販品など数多くのサロン専売品が正規に取り扱われている。

説明会では、現在の品ぞろえをそのままアマゾンに出すわけではないと明言。

「アマゾンに統合されるということでは全くない。フルフィルメントなど、既存のサービスを利用する」(遠藤氏)、「顧客情報を共有したり、データを統合したりということはしない」(濱田氏)と強調した。

次期社長に内定した遠藤宗氏(ビューティーサービス事業管掌)と濱田健作氏(オンプラットフォーム事業管掌)
次期社長に内定している遠藤宗氏(ビューティーサービス事業管掌)㊧と濱田健作氏(オンプラットフォーム事業管掌)㊨

楽天・PayPayモールと同じか

実は、アットコスメショッピングはすでに楽天モールやPayPayモールに出店しており、アマゾンとも同様のスキームになるという。

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」のジャンル賞を2年連続で受賞するなど、モール出店は一定の成果をあげているものの、正規のアットコスメショッピングとモールでは取り扱いブランドの数に大きな差がある。

アットコスメショッピング(楽天モール)
楽天モール内のアットコスメショッピング。自社サイトとは品ぞろえに差がある

これまでと同じく、サロン専売品やカウンセリング化粧品のメーカーはアマゾンでの取り扱いにNGを出すのか、これを機に楽天やPayPayもあわせてOKを出すのか、美容業界としては気にかかるところだ。

「一社一社、丁寧に説明して理解を得ていく」(吉松社長)、「拒否感をもつメーカーもあるが、アマゾンはビジョンのとおり、地球上で最もお客さまを大切にしようとしている企業なので、決しておかしなことにはならないと伝えたい」(菅原CFO)といい、両氏は真摯に対応していく姿勢を示した。

サロン専売品はこれからも変わらないのか、変わるべきときに来ているのか。アマゾンへの出店時期は未定だが、今後の動向に注目が集まる。

なお、アイスタイルの2023年6月期連結業績予想は、売上高400億円(前年同期比16.3%増)、営業利益5億円(―)、経常利益1億7000万円(―)、純利益3000万円(―)。

業績予想には今回の業務資本提携の効果は加味していないため、取り組みの開始時期次第では、より上をめざすことになりそうだ。

文/大徳明子

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