日本初! ホーユーがヘアカラーのミュージアム

経営・業界動向
日本初! ホーユーがヘアカラーのミュージアム

2023年5月9日、ヘアカラーをテーマとした「ホーユーヘアカラーミュージアム」がグランドオープンした。

その名前からもわかる通り、手がけたのは今年3月に創立100周年を迎えたホーユー。同社によると、ヘアカラーに特化したミュージアムは日本で初めてという。

創立100周年の記念事業で博物館

ホーユーヘアカラーミュージアムは、ヘアカラーの歴史と文化を次世代に伝えていくために創立100周年の記念事業の一環として開館した。

名古屋市東区徳川町にある徳川美術館のすぐ南側、閑静な住宅街の中にあり、流れる髪をイメージさせる無数の曲線が描かれた白い外観が目を引く。

ホーユーヘアカラーミュージアムの外観(日本初のヘアカラーの博物館)
閑静な住宅街にたたずむ「ホーユーヘアカラーミュージアム」

開館時間は日曜・月曜・祝祭日を除く10時〜17時で、入場無料。毎日14時より館内ツアー(所要時間約80分、予約不要、無料)を行っている。

時代ごとのヒット商品と販促物がズラリ

ミュージアムは3階建てで、フロアごとにテーマが異なる。3階の「ホーユー展示室」の入り口では、サムライに扮したホーユー創業者、水野増次郎氏の等身大パネルが来場者を出迎える。

このフロアでは、ホーユーの「会社史」と「製品開発」、「安全性への取り組み」をテーマに、さまざまな展示を行っている。

ホーユーの創業者、水野増次郎氏のパネル
ロングセラーの白髪染め「元禄」にちなみ、元禄武士の格好で来客をもてなしていたという創業者・水野増次郎氏
ロングセラーの白髪染め「元禄」
1921年(大正10年)に発売された「元禄」は、昭和、平成と時代を超えて愛用された3剤式の白髪染め

水野増次郎氏の名刺や、没後55年後の2014年に発見された自叙伝「人間八十年」も。ホーユーの新入社員には「人間八十年」の復刻版を贈るという。

また、「ホーユー製品開発のあゆみ展示パネル」では、大正から昭和、平成、そして令和と、それぞれの時代に誕生したホーユーのヒット商品と開発にまつわるエピソードを紹介している。

水野増次郎氏の自叙伝「人間八十年」
水野増次郎氏の名刺と自叙伝「人間八十年」
ホーユー製品開発のあゆみ
「ホーユー製品開発のあゆみ展示パネル」
「ビゲンエリート」
1976年(昭和51年)に発売された粉末タイプの白髪染め「ビゲンエリート」。パッケージの女性モデルが着物姿というところに時代を感じる

フロア内でひと際目を引くのは、商品を販売する薬局で使われていた看板や販促物の数々。

これらのほとんどは、オーダーメイドの一点もので史料としての歴史的価値も高い。

看板などの販促物
看板など販促物の展示コーナー
「三羽からす」看板
特約店に掲げられていた看板

こうした過去の製品や販促物は、これまではホーユーの瀬戸工場の資料館で展示されていたが工場見学の際にしか見ることができなかった。

ミュージアムの開館に合わせて新たに収集した展示物もあり、瀬戸工場の資料館よりもさらに内容がグレードアップしている。

AI技術でヘアカラーの魅力を体感

2階の「常設展示室」は2つのエリアに分かれていて、その1つがミュージアムの目玉というべき「ヘアカラーの魅力」体感エリア。

「なりたい自分を探す」シミュレーター
AI搭載のシミュレーターで「なりたい自分を探す」

こちらは、AI技術を搭載したシミュレーター「なりたい自分を探す」。

カメラの前に座ると、6パターンのヘアカラーとヘアスタイルがモニターに映し出される。カラーやスタイルに合わせてメイクや眉毛の形も微妙に異なるのが面白い。

「色を楽しむ」
色の構成を体感する「色を楽しむ」

さまざまな色によって黒の色が構成されているのかを知る「色を楽しむ」コーナー。

ピアノの鍵盤を押すと、赤や青、黄などの色がモニターに現れて、それぞれが混ざり合っていく。また、ペダルを踏むと、画面がズームアップする。

「仕組みに驚く」
ヘアカラーとヘアマニキュアのメカニズムの違いを学べる「仕組みに驚く」

プロジェクションマッピングを使ってヘアカラー&ブリーチ、ヘアマニキュア&カラートリートメントで髪に色が染まる仕組みの違いを紹介するコーナー「仕組みに驚く」。

ガン型の操作端末を画面の毛髪に向けると、色が入っていく。

2階「日本のヘアカラー史」エリア全景
「日本のヘアカラー史」エリア

2階には奈良時代から始まったとされる日本のヘアカラー史エリアも。

「自然な黒の時代」(古代〜江戸時代)と「化学の黒の時代」(明治時代〜昭和時代中期)、「カラーの時代」(昭和時代中期〜平成時代中期)、「多様性の時代」(平成時代中期〜現在)の4つの時代の文化や技術を解説している。

江戸時代の髪型
江戸時代の髪型
1980年代に流行した髪型
1980年代に流行した髪型

身分や年齢で決められた江戸時代の髪型や1980年代に流行した髪型など、ヘアスタイルのブームも紹介している。

定期的に企画展や催事を開催

1階の「企画展示室」では定期的に企画展や催事を開催する予定。企画内容はホームページで公開される。

1階「企画展示室」
企画展示室では「ホーユーのコトノハ」展を開催中

現在、開催しているのは、ホーユー初代の水野増次郎氏、二代目の水野金平氏、三代目の水野新平氏の歴代社長の発言語録を紹介する「ホーユーのコトノハ」展。

初代社長、水野増次郎氏の言葉
初代社長、水野増次郎氏の言葉

ヘアカラーの普及と発展に生涯を捧げた歴代社長の言葉には重みがあり、心に響く。「ホーユーのコトノハ」展は8月31日まで開催している。

ミュージアムグッズの自販機
ミュージアムグッズの自販機

また1階には、ミュージアムショップの代わりにグッズの自販機を設置。マグカップやタオル、Tシャツなど日常的に使えるものがそろっている。

ただし、購入はスマートフォンのQRコード決済のみで現金やクレジットカードは不可。

「ホーユーヘアカラーミュージアム」のロゴマーク
「ホーユーヘアカラーミュージアム」のロゴマーク

ミュージアムのロゴマークは、なびく髪をイメージした曲線の重なりで、ヘアカラーが紡いできた歴史を表現。

美容業界の関係者のみならず、一般ユーザーもヘアカラーの魅力を存分に感じることができるだろう。

ホーユーヘアカラーミュージアム

▽所在地=愛知県名古屋市東区徳川町903

▽開館時間=10時〜17時(入場無料)

※開館日14時より館内ツアーを開催(所要時間約80分、予約不要、無料)

▽休館日=毎週日曜日・月曜日・祝祭日

▽URL=https://www.museum.hoyu.co.jp/

▽TEL=052-559-4931

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取材・編集/大徳明子 取材・文・撮影/永谷正樹

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