
醤油や製紙など本業の技術から生まれたユニークな原料も。6万6000人が来場してにぎわった
日本化粧品原料協会連合会は2025年5月14日~16日の3日間、第12回化粧品産業技術展(CITE JAPAN=サイトジャパン)をパシフィコ横浜で開催した。
化粧品原料やOEMの情報が一堂に集まる展示会には約400社が出展し、延べ6万6109人(前回比434人減)が来場した。
美容室オリジナルブランドでの利用も進むOEM
近年はオリジナルのヘアケアやスキンケアを手がける美容室が増えている。OCEAN TOKYO(オーシャントーキョー)の「オーシャントリコ(OCEAN TRICO)」、アルテジェネシスの「ennic(エニック)」や「エトゥーラ」など枚挙にいとまがない。
また、表参道の美容室broocH(ブローチ)が、オーガニックヘア&ボディケアブランド「LILAY(リレイ)」を東証グロース上場のジェイフロンティアに売却したのは記憶に新しい。
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さらには、LIPPS(リップス)が今月30日付で東証グロース市場へ上場するが、その売上の約9割を「STYLING」シリーズや「LIPPS BOY(リップスボーイ)」による商品事業が占める。LIPPSは自社工場を持たず、OEMメーカーと組んでつくるファブレスカンパニーとして年間40億円ちかくを売り上げている。
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こうした状況下で開催された化粧品産業技術展には、「Next Step for Cosmetic Ingredients & Technology ~The Worldwide New Trend~」のテーマ通り、国内外の大小さまざまな企業が出展。オリジナリティを出しやすいユニークな原料や多種多様な容器、小ロットから対応するOEMサービスを紹介していた。

















アワード優勝は「海草のアップサイクル」と「日焼け止め」
化粧品産業技術展の目玉のひとつである技術発表については、来場者投票も含めて審査が行われ、会期最終日に表彰式が行われた。
環境部門は、テクノーブル社の「産官が立ち上がり海も肌も豊かに育む。異業種コラボレーションによる海草コアマモのブルーアップサイクル」がゴールドプライズを受賞。
技術部門は、ジェイオーコスメティックス社の「サマープルーフUV」が受賞した。

なお、隔年開催のため、次回は2027年5月19日(水)~21日(金)に開催される。会場は同じくパシフィコ横浜。出展の申し込みは2026年5月頃に開始する予定。
取材・文・撮影/大徳明子

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