ミルボン第3四半期は高価格品、カラー好調で増収増益

経営・業界動向
ミルボン第3四半期は高価格品、カラー好調で増収増益

ミルボンの2018年19月期決算は、売上高が10.6%増の252億6100万円、営業利益が20.4%増の46億8700万円の増収増益を達成した(※)。プレミアムブランドと位置づける「オージュア」「milbon」、ファッションカラー「オルディーブ アディクシー」が好調で業績をけん引。注力している高付加価値高価格ブランドの拡大によって、主力のヘアケア部門がさらに伸長するという順当な結果となった。

ササッと解説! 決算期の変更

ミルボンは前連結会計年度より、決算期を12月20日から12月31日に変更。連結子会社についても決算期を9月30日から12月31日に変更した。このため、今回発表の18年第3四半期決算(2018年1月1日~9月30日)は、ミルボン本体が2016年12月21日~2017年9月20日、連結子会社が2016年10月1日~2017年6月30日との比較になる。

ミルボン連結決算
2018年12月期第3四半期(2018年1月1日9月30日)
▽売上高=252億6100万円(※前年同期比10.6%増)
▽営業利益=46億8700万円(同20.4%増)
▽経常利益=43億9300万円(同19.8%増)
▽四半期純利益(親会社株主に帰属)=33億2400万円(同6.0%増)

通期(2018年1月1日12月31日)<変更なし>
▽売上高=347億円
▽営業利益=61億6000万円
▽経常利益=56億4000万円
▽当期純利益(親会社株主に帰属)=42億4000万円

全部門で増収。主力のヘアケア事業は2ケタ増

部門別売上高は、主力のヘアケア用剤(構成比58.6%)が12.0%増の148億円、染毛剤(同35.9%)が8.6%増の90億8000万円、パーマネントウェーブ用剤(同4.8%)が10.2%増の12億1300万円、その他(同0.7%)が0.3%増の1億6700万円。全部門で増収を果たした。

オージュアバージョンアップ成功。前年比2割増の43億5800万円

ヘアケア用剤部門は、プレミアムブランド「オージュア」「milbon」が伸長。

「オージュア」は17年11月1日付でバージョンアップを実施。新たなブランド共通成分を配合して処方を改良、パッケージを刷新し、ラインアップを見直した。また、新リーダー制度として、1店舗当たりの年間目標設定、プロセス管理を行う「オージュアコンダクター」を開始。製品のバージョンアップと人材育成制度の充実を図った結果、市場が活性化し、安定したリピートにつながっている。

オージュアは現在、4シリーズ12ライン80アイテム。窓口軒数は前年比478件(15.1%)増の3644軒となり、販売高は7億5400万円(20.9%)増の43億5800万円となった。

グローバルミルボンの成長加速。窓口5000軒突破、販売高は1.5倍に

グローバル展開の顔である「milbon」は、窓口軒数が1400軒(35.3%)増の5366軒。販売高は5億2000万円(55.8%)増の14億5200万円となった。

窓口軒数が5000軒を突破し、販売高は1.5倍超へと成長。国内外とも新規窓口が順調に増え、これに伴い、売り上げも拡大している。

染毛剤はファッションカラーが伸長

染毛剤は、17年2月に発売した、“外国人風ヘアカラー”になれる高明度ヘアカラー「オルディーブ アディクシー」が引き続き好調。18年3月に新色を追加し、新規、リピートとも伸長している。

同ブランドが7億500万円(47.1%)増の22億300万円に育ち、ファッションカラーをけん引。一方、グレイカラーは横ばいが続いている。

その他、オーガニックヘアカラー「ヴィラロドラ カラー」も健闘している。

海外は韓国・タイ苦戦も、中国が3割増でけん引

海外事業の売上高は、39億3300万円で全体業績の15.6%を占める。前期より、1.3ポイント増加した。

海外子会社の業績(現地通貨ベース)は、もっとも売り上げの大きい韓国が1.3%減。競合他社の低価格ヘアカラーの参入が続き、苦戦した。8月に「ネオリシア」、10月に「オルディーブ アディクシー」を投入。品質と教育で巻き返しを図る。

一方、中国は30.8%増(直販部門20%超、代理店部門30%超)で急成長。カラーは「オルディーブ」、ヘアケアは「milbon」が順調に動いている。

米国は10.5%増。「milbon」が伸長し、マンハッタンのハイエンドサロンをターゲットにした戦略などが成功した。

前年割れが続くタイは12.7%減。トップサロンに活動を集中するため代理店を1社に絞った影響が出ている。

販管費が上昇。化粧品事業に備えて人員拡充

販管費は、13億5600万円増の129億7200万円に上昇した。化粧品事業に備えた人員増に伴う人件費の増加、本社を含む新拠点の設置に伴う賃貸料・減価償却費の増加が主な要因。

ミルボンは、化粧品メーカー大手のコーセーと手を組み、昨年7月にコーセーミルボンコスメティクス株式会社を設立しており、ヘアケアに次ぐ柱に育てるという化粧品事業の始動に備えた人員増。販売戦略と教育をミルボン、商品開発はコーセーがになう。第1弾製品の発売を控え、その動向に注目が集まる。

 

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