オーダーメイドシャンプー「MEDULLA」が販売再開!

深山社長に聞く、OEMトラブルの真実と再出発の道すじ


 今年5月、日本初の定期配送型パーソナライズシャンプー「MEDULLA(メデュラ)」を立ち上げた株式会社Sparty(スパーティー。東京都渋谷区、深山陽介社長)。

 スタートから4カ月で月商1400万円を達成という好スタートを切った矢先に、OEM先の無許可製造が発覚。11月2日より商品回収を行っていたが、新たに、株式会社サティス製薬(埼玉県吉川市、山崎智士社長)を製造元とし、12月1日より既存客への配送を再開した。

 MEDULLAに一体、何が起きたのか。今後、どのように進めていくのか。美容室を窓口にした販売とはどのようなものなのか。スパーティーの深山社長に、今回のOEMトラブルと再出発の道すじを聞いた。

月商1400万円のオーダーメイドシャンプー

 一人ひとりの髪質や好みに合うよう処方をカスタマイズしてつくるパーソナライズシャンプー。アメリカでは、ここ数年で、Function of BeautyやProse(プローズ)などのブランドが相次ぎ誕生し、新たなビューティテック(美容×テクノロジー)として注目を集めている。

 こうした時流を踏まえ、深山社長を始めとする博報堂出身者らが集まり、2017年7月に会社を設立。翌18年5月22日付でMEDULLAをローンチした。

 MEDULLA公式サイト上で、髪質や好みの仕上がり、香りなど7つの質問に回答するだけで、100種類以上の処方から、その人に合ったシャンプー&リペア(トリートメント)が提示される。注文ごとに1本ずつ成分をブレンドして作り、1~2週間で自宅へ配送するというオーダーメイドだ。解約されない限り、シャンプーとリペア(各1本250ml)で6800円(税・送料別)のセットを定期配送する。

 話題性もあって好発進を切り、9月末時点で、リピート率80%、月商1400万円へと成長。スタートアップ企業の好例として「ICC KYOTO 2018スタートアップ・カタパルト」「B Dash Camp2018 fall」でそれぞれ準優勝するなど、そのビジネスモデルは高く評価されていた。

OEM先の無許可製造が発覚

 しかし、状況は一転する。10月末、東京都の薬務課に呼ばれ、OEM先のピュアハートキングス株式会社(東京都渋谷区、浅沼大智社長)は化粧品製造許可・化粧品製造販売業許可を得ていないことを告げられた。

 「OEMを委託するにあたり、ピュアハートキングスから諸々の書類は提示されています。まさか、許可証を偽造しているとは思わなかった」(深山社長)。

 11月1日には、福祉保健局から回収命令を受けた。製品を信用して買っているお客様、スタートアップ企業の挑戦を支えてくれた人々の信頼を裏切る結果となってしまった。

 「法的手段も検討しています。ピュアハートキングスと取引があったのは当社だけではなく、他の会社も同様の状況にあるため、金銭的に取れるものはあまりないでしょうが」と口調にも苦さがにじむ。

サティス製薬と資本業務提携し、再出発

 事業再開には、新たなOEM先が不可欠。手を挙げたのは、小ロット製造に強みを持つサティス製薬だった。「サティス製薬の山崎社長とは元々親交があり、ポリシーのある会社だと知っていた。山崎社長から『いっしょの船に乗ろう』と言っていただいた」という。

 実は山崎社長も、創業の際、師と仰いでいた人に手ひどく裏切られた経験を持つ。深山社長の窮状は他人事ではなかったのかもしれない。

 国内に4工場を持つサティス製薬の取引先は、小規模の通販化粧品会社を中心に600社を超える。「1人でも多くの女性に正しい綺麗を」を理念とし、植物原料の開発、安全性・有効性の評価試験、スタートアップ企業の支援に力を入れている。

 「いっしょの船に乗る」つまり「製造委託だけの関係ではなく、MEDULLAが成長するための共創関係を結ぶ」ため、11月13日付で、スパーティーとサティス製薬は資本業務提携を締結。今後は2社協働で、製品の開発や品質改善に取り組むという。

 100種類以上の処方について、順次、サティス製薬から厚生労働省に申請しており、12月1日から、定期コースの顧客への配送を再開した。生産体制が整い次第、新規の注文についても受付を再開する予定だ。

medullaカスタム

ネームタグに「BeaUTOPA」と購入者の名前が入るので、オーダーメイドの特別感が味わえる

美容室を顧客獲得の窓口に

 MEDULLAはウェブ上で申し込むスタイルだが、自分に合ったものを選ぶといってもそもそも自分の髪質がわからない人や香りを試してからにしたい人もいるため、提携サロンで無料体験できるサービスを導入している。

 この無料体験からの購入については、美容室にマージンが入る。「初回だけでなく、定期購入が続く間、マージンを払い続けます。商品は当社からお客様の自宅に直接発送するので、美容室の在庫リスクはゼロです」(深山社長)。提携サロンは随時募集中で、現在は4店舗。公式サイトに、MEDULLA認定スタイリストとして掲載される。

美容師による定期診断で、よりフィットする処方に

 解約しない限り定期購入が続くというスタイルである以上、「続ける意味があるサービスにしたい。デジタルを活用したコンサルティングに力を入れ、継続するたびに情報をフィードバックすることでサービスを高度化し、デイリーヘアケアのサポート体験を提供したい」という。

 MEDULLA購入者には担当スタイリストがつき、LINEやオンラインマイページ上で相談すると、今の髪に最適な処方がフィードバックされる。このため、季節やライフスタイルの変化に対応しながら、より自分にあった処方へブラッシュアップしていくことができる。提携サロンでの毛髪チェックについても、将来的にはチェッカーツールを導入する予定だという。

芯から強いブランドへ

 思わぬところで足元をすくわれたMEDULLAだが、新たなパートナーを得て再出発の途に就いた。「サティス製薬とともに、処方をゼロベースで考え直しているところ。来春にはリニューアルを行い、色や香りも増やしたいと思っています」と深山社長は意欲を示す。

 MEDULLAというブランド名は、髪の芯にあたる組織のメデュラから名づけたという。芯から強いブランドへ、MEDULLA は再度、立ち上がろうとしている。

■MEDULLA公式サイト
https://medulla.co.jp/

■アメリカのパーソナライズシャンプー
Function of Beauty
https://www.functionofbeauty.com/international/

Prose
https://prose.com/


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