驚異のスピード出店。人が辞めない好待遇と成長両立

幹部か労働環境か。目指すもので待遇に白黒つける。M.O.E.望月社長の経営哲学


M.O.E.望月真也社長

 

2014年の「flammeum(フラミューム)」1号店オープンから4年で16店舗を出店。スタッフ数は110名を数え、グループ売上高は約10億円。

人手不足の美容業界で、FCオーナーになるスタッフが次々と育ち、通常のスタッフもサロンを辞めない。

スタッフへの手厚い待遇とビジネスとしての成長を両立し、破竹の勢いでスピード出店を続ける株式会社M.O.E.の望月真也社長。

昨年11月6日、経営実戦研究団体B.M.S.が東京・原宿で開催した「BMSビジネスサテライト」で、望月社長が独自の経営哲学を語った。

美容室の“当たり前”を変える

美容室の働き方の“当たり前”を根底から変革し、業界の働き方の“当たり前”の基準を作るために、グループ全体で全国に美容室を展開し、美容業の発展のベースを作る。それがM.O.E.の基本理念。

美容業界を変える影響力を持つために、グループ規模の拡大を急ぐ。FCなら早期の全国展開が可能という。

現在、FC会社は3社。2019年はさらに2社を立ち上げる予定。社員数はグループ全体で120名。1年半後には250名に到達する見込みだ。

すべての仕組みをシンプル化

なぜ、人手不足の時代に多くのスタッフを雇用し、離職者を出さないのか。赤字店舗を出さずにスピード出店ができるのか。

望月社長の答えは「すべての仕組み、規約、サロンメニュー、FC、教育を、働き手にもお客様にも理解しやすくシンプル化したから」。

M.O.E.ではグループの組織力さえもシンプル化し、これが成長への大きな力になっているという。

幹部を目指す2割、楽しく働きたい8割

M.O.E.望月真也社長

メモを取ったり、スライドを写真に撮ったり、参加者は熱心に耳を傾けていた

組織論には、「働きアリの法則」とも呼ばれる 2:6:2の法則がある。上位2割はよく働き、中位の6割は普通、下位2割はあまり働かないというものだ。

「意欲の低い2割を引き上げるために時間や力を使ってしまいがち。そこで、悩みを極力もたないように、あえて2:8の法則に変換した」(望月社長)。

 

M.O.E.の2:8は、幹部を目指す2割と楽しく働きたい8割。

2割の人には夢実現までのプロセスを明確に見せ、8割の人には「他に行ってもこの環境はない」というほどの環境を提供する。

二極化で白黒つける

幹部を目指す2割は、自分の人生を変えたい人、チャレンジする人、人のためだけに頑張れる人。

「死ぬ気で働く人たち。一般的には『ブラック』という認識になると思う」という。

彼らは多忙となるが、仕事内容と所得の充実を約束。半年~1年でFC契約してサロンを出店、2店舗目も半年~1年で展開するという“短期間で成し遂げる成功の道”を明示する。

 

一方、楽しく働きたい8割は、まだ自分の方向性が決まっていない人や、プライベートも仕事も大切にしている人。

この層には、8時間労働、週休2日(土日祝休みを含む)、有給休暇、高歩合率といった、どこよりも『ホワイト』な職場環境を約束する。

「働き方改革が流行る前から、取り組んできた。M.O.E.は極限までの働き方改革を行う」と望月社長は話す。

 

あいまいだから悩むし、余分な時間や労力がかかる。何を望む人に何を与えるのか、白黒はっきりさせるシンプル化で、スタッフの不満や対応の手間が解消され、企業の成長スピードが速まるという。

 

夢の実現スピードが希望になる

スピードにこだわるのは、後に続くスタッフが希望を持てるようにするためだ。

FCオーナーになる成功者が身近で次々に出てくると、自分の方向性が決まっていない人も目標が明確になってくる。

 

FCオーナーになっても、それはゴールではない。

経営陣は社長の集合体だが、グループとしての運営を軸に置くことが求められる。

オーナーになると自分の個性を出したくなるものだが、それはグループの成長、個人成長のスピードを落とすという。

それぞれのオーナーが得意分野を担当し、その個性をグループのために活用する。「結局、グループの成長スピードを上げることが、自身の成長につながることを知っていく」(望月社長)。

 

これからのトータルビューティー

先見の明で、いち早く、働き方改革に取り組んできた望月社長。

いま提唱するのは、これからのトータルビューティーだ。

 

M.O.E.は、平塚に美容室1号店をオープンし、その翌年、小田原にアイラッシュサロンを出店した。以降、神奈川・東京に無借金で出店を続けている。

規模は美容室が35~50坪で9~12席。アイラッシュサロンは15~23坪で4~6席。

美容室から100メートル以内にアイラッシュサロンを出店し、既存客を紹介していく方式で、効率よく出店を進めてきた。

 

「最近は、美容室とアイラッシュの複合トータルビューティーサロンが主流になっている。世間一般でトータルビューティー化が始まっているからこそ、当社は今期より、さらに新しいトータルビューティーにチャレンジする」という。

会社が多くのことに取り組んでいくからこそ、専門職を分別して、スタッフのやりたいことを集中してやってもらえるといい「職業特化型のトータルビューティーサロン」の構想を練っている。

 

望月社長は「できるかな?と思って動かないのではなく、まずはスタートしてみること。すべての行動、思考の発展は、一歩の踏み込みから始まる」とエールを送り、講演を締めくくった。

「経営には原理原則がある」

春田牧彦社長

「髪を切るから髪も切る」へと経営スタイル転換の必要性を説くピンポン・春田牧彦社長

「BMSビジネスサテライト」を開催した経営実戦研究団体B.M.S.は、山形を中心に全国で約60店舗を展開する株式会社カットルームコーポレーションの橋本憲夫社長が主宰する経営研究団体。

「経営には原理原則がある」を合言葉に、経営セミナーをオンライン、オフラインで開催している。

 

この日は、ゲストスピーカーとして、まずM.O.E.の望月真也社長が登壇。

続いて、ウエラジャパン営業副本部長、資生堂プロフェッショナル常務取締役営業戦略本部長を歴任した春田牧彦氏(ピンポン社長)が講演を行った。

春田社長は、消費増税への対策、2025年問題、美容業界を取り巻く環境などに警鐘を鳴らすとともに、従来の業務にとらわれない美容室の新しいあり方について持論を展開。

「髪を切るから髪も切る」へと経営スタイルを転換する必要性を説いた。

 

セミナー後は懇親会となり、参加者同士、経営に関する情報交換を行いながら懇親を深めた。

 

▽M.O.E.=http://moe-hairmake.com/

▽経営実戦研究団体B.M.S=https://bms-japan.com/

 


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