
トランプ大統領が世界各国に対して示した関税引き上げ。
現在、日本とアメリカでは貿易に関する交渉が行われています。
今回の「週刊タイパニュース」では、トランプ関税について引き続き解説します。
トランプ関税が日米貿易に大きな影響
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
トランプ大統領による関税引き上げ。
日本に対しても24%という高い税率を示したほか、日本のお家芸である自動車に対しては25%の追加関税をすでに課してしまいました。
このままだと、アメリカにおいて日本の製品が大幅に値上がりし、貿易が滞ってしまうことから、日本政府はアメリカのトランプ政権との交渉に乗り出しています。
その行方は一体どうなっていくのでしょうか。
日本が切るカードとは?
貿易赤字の解消や、国内産業の再興を望んでいるトランプ大統領に対して、関税を引き下げてもらうには、日本としても何かカードを切らなければなりません。
アメリカからの輸入を増やしたり、日本の自動車メーカーの工場をアメリカに建てて、アメリカ人の雇用を促進したり、メニューはさまざまあります。
そんな中で浮上しているのが、アメリカからの米の輸入拡大です。
アメリカの米の輸入を拡大する?
現在、日本は海外の米に対して、1キロあたり341円という高い関税をかけています。
アメリカの米が1キロ150円程度と言われているため、税率に換算すると200%台という水準です。
ただ、日本はこれとは別にミニマムアクセス米といって、無税で輸入しなければならない枠を77万トン設けており、2023年度にはアメリカから34万トン輸入しました。
この、ミニマムアクセス米の枠を増やそうという案があがっているのです。

貿易交渉が日本の米産業に打撃!?
しかし、アメリカからの米の輸入を増やすと、日本の米産業が崩壊する懸念もあります。
アメリカは広大な土地を活かした大規模集約農業で米の価格を抑えており、そのような安い輸入米がスーパーに並ぶと、日本米があまり売れなくなる恐れがある。
そうすると、価格競争では勝てない日本米は高級化路線を取り、庶民の手からはどんどん遠のいていくかもしれません。
今は未曽有の米価格高騰が起きているため、安い輸入米が並ぶのは嬉しいかもしれませんが、日本の米産業が崩壊すると、食料自給率がさらに落ちて、日本は国民が食べる主食すら賄えない国になってしまいます。
日本がアメリカに対して切るカードによっては、このように、国内産業が大きな影響を受ける可能性があるのです。
次回はまた別のニュースについて解説します!
ぜひ、お楽しみに!

宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)
