備蓄米は安く店頭に届くのか? 宮原健太の週刊タイパニュース(82)

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備蓄米は安く店頭に届くのか? 宮原健太の週刊タイパニュース(82)

お米の価格高騰を巡っては備蓄米の放出方法を変えるなど、大きな動きが出てきています。

私たちはお米を安い値段で買えるようになるのでしょうか。

今回の「週刊タイパニュース」では、米の価格高騰についてさらに深掘り解説します。

なかなか店頭で見かけない備蓄米

こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。

皆さんはスーパーで備蓄米が並んでいるのを見かけたことはありますでしょうか。

「備蓄米」と表記されているわけではありませんが、「あきたこまち」や「こしひかり」などのブランドが書いておらず、他のお米より安く売っていたら、それは備蓄米となります。

ただ、地域によってはなかなか見かけないところも多いそうです。 どうしてなのでしょうか。

そもそも備蓄米とは何なのか?

そもそも、この備蓄米とは、大凶作時や災害時などに備えて政府が約100万トン保管しているお米で、現在の米の価格高騰を受けて政府が放出を決定しました。

すでに31万トンが放出されましたが、店頭に並ぶまでには時間がかかっています。

その理由としては、お米の精米や流通をさせるのにも量の限度があり、目詰まりを起こしているというのです。

備蓄米の放出方法を大幅に変更

そこで、政府はこの備蓄米の放出方法を「一般競争入札」から「随意契約」に変えることを決めました。

一般競争入札というのはいわゆるオークション形式ですが、その結果、お米を取り扱う巨大組織であるJA全農が9割以上を落札する結果となっていました。

これでは、備蓄米の流通はほとんど全農まかせになってしまい、なかなか各地に行きわたらないだろうということで、新しく農水大臣となった小泉進次郎氏は任意で業者と契約する随意契約に変更。

先着順でさまざまな業者と契約を結び、販売価格もオークション形式を排することで5キロ2000円程度にしようとしています。

備蓄米の放出方法を一般競争入札から随意契約に変更した

備蓄米放出の真の目的は?

政府は6月初旬にも備蓄米を全国各地の店頭に並べたいとしていますが、実際に私たちが買えるような状況になるのか注目です。

また、備蓄米放出の真の目的は、単に備蓄米を安くバーゲンセールすることではなく、それによってブランド米の価格を引き下げることにあります。

備蓄米以外のお米の値段もしっかりと下がるのかが今後は問われてきます。

次回も引き続き、米の価格高騰について解説します!

ぜひ、お楽しみに!

宮原健太(フリージャーナリスト・記者YouTuber)

宮原 健太

ジャーナリスト、YouTuber

1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。​

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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)

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