
機会損失を防ぎ、「顧客を待たせない」ことで体験価値を高める
国内外に140店舗以上を展開するヘアカラー専門店最大手の「fufu」。電話による問い合わせは月に1万7000件に上る。これをAIで自動化し、年間5000万円の機会損失を防止する取り組みを始めた。
運営元のFast Beautyは2025年7月より、AI Shift社(東京都渋谷区、代表取締役社長CEO:米山結人)のコールセンター向けAIエージェント「AIメッセンジャーボイスボット」を一部店舗に導入した。
月間約1万7000件の電話対応業務を自動化
Fast Beautyの来店客数は累計530万人を超え、電話による問い合わせは月に約1万7000件に上る。しかし、施術中で電話に出られずに新規予約を逃すなど、年間約5000万円に相当する機会損失と顧客満足度の低下を招いていた。
この課題に対応するため、コールセンターの設置や外部委託なども検討したうえで、音声対話型AIによる自動応答の導入を決定したという。機会損失を防ぎ、「顧客を待たせない」ことで体験価値を高める考えだ。
AI活用し、「人」ならではの業務に集中
今回の「AIメッセンジャーボイスボット」導入により、①店舗スタッフが応対できなかった「あふれ呼」の解消、②予約システムや顧客管理システムとの連携による新規予約・変更・キャンセル対応の自動化、③通話内容の記録が可能となる。

Fast Beautyは、人とAIの協働により各種プロセスの自動化範囲を広げ、人にしか対応できない付加価値の高い業務にスタッフが集中できる環境構築を目指すとしている。効果を検証した後、全店舗へ展開する予定で、機能追加も視野に入れている。
なお、導入に当たっては、北國銀行およびCCイノベーション(石川県金沢市、代表取締役社長:菊澤智彦)の支援を受けた。
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