
美容室における新卒者の採用過程において、やってはいけないこととは?
新卒者が入社する来春まで、残り半年を切った。採用に向け「今やるべきこと」を紹介してきたが、逆に「やってはいけないこと」は何か? 美容学校生の就職事情に詳しい仁田隼人さんに聞いた(第3回/全4回)。
目次
オンラインでのコミュニケーションは2回目以降に
先生と会って話をする際、初回は必ず対面が望ましいです。
ただ、2回目以降は、オンラインでもOKだと思います。初対面の時から、もう一度会いたいと思ってもらえるようなコミュニケーションを図ることが大切です。
そして、可能であれば、2回目以降のアポを取るのに毎回電話をかけるのは避けましょう。先生方も忙しいですから、メールでの打診が無難です。
やってはいけない4つの行動① 自店のことばかり話す
ここからは、美容室側が「やってはいけない行動」についてお伝えします。
これまでに述べてきたように、自店の良さをアピールしたくなるのは当然ですが、アピールしたい気持ちをこらえましょう。まずは「傾聴」すべきです。
質問する、学校のビジョンや思いを聞く、それらの説明に熱心に耳を傾ける。これで初めて受け入れてもらえるようになります。
やってはいけない4つの行動② 1回で結果を出そうとする
1回の対面で結果を出そうとしないこと。何回かに分けてアプローチしましょう。
学校側は11月、12月までには内定率を上げたいと考えています。そのタイミングで先生に推してもらえるサロンの1つになるよう、それまでに何度かに分けて会うことで接触回数を増やし、信頼と関係性を築いていくのです。
やってはいけない4つの行動③ 働く環境だけを提示する
美容学校生が知りたい情報は労務環境・教育環境・デビュー後の未来像の実績、この3項目です。
ただし、この3項目さえ提示すればOK、ではありません。なぜなら、他サロンとそれほど変わらないからです。
大事なのは、このような仕組みにした意味を伝えること。例えば完全週休2日のうち、1日は休み、1日は自分のスキルアップのために使ってほしい、というようなことです。
良い環境がありつつも自分の夢を叶え、やりがいを持って働けるサロンであることを伝えましょう。
やってはいけない4つの行動④ しつこいアプローチ、勧誘
美容学校生と直接コミュニケーションを取る際は、熱意のあまり、しつこくアプローチしすぎないようにしましょう。そのしつこさを学校へ報告されたり、同級生へ吹聴されるなどで、悪い評判やイメージが広まることがあります。
普段、お客さまに対しては、まずご要望や気分をお聞きしますよね。それと同じで、まず美容学校生の要望を聞くことからスタートします。先生に接するときと同じです。
ヒアリングもせずに一方的にアプローチしても、フラれてしまうだけなのです。
(つづく)

仁田 隼人
RECI代表
にった・はやと/数店舗を経て2009年、美容室RITA(埼玉県)に入社。同社COO(最高執行責任者)に就任し、13年連続売上高120%成長達成に貢献。その後独立してRECIを設立。現在週2日のサロンワークのほか、美容室向けの新卒採用専門オンラインアカデミー主宰、採用・育成・営業コンサルタントなど幅広く活動中。
取材・文/安武 隆、森永泰恵

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