ホットペッパービューティーアカデミーでは、美容サロン従事者(美容師、ネイリスト、エステティシャン、リラクゼーションセラピスト、まつげエクステスタッフ)の就業実態を毎年調査しています。
4月25日に2024年版を発表!今年は新卒美容師の離職や転職に関するテーマをご紹介します。
文・作表 田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)
目次
①美容師の初職就業期間は?
最初に初職(学校を卒業後、社会人として初めて従事した職業)が「美容師」と回答した人の初職の就業期間を見てみましょう。最も多いのが「1年以上~3年未満」(26.7%)です。「1年未満」(10.0%)を加えると、36.7%が3年未満で初職を離職しています。
美容師の最初の3年間は、アシスタントからスタイリストになる過渡期で大切な成長の期間です。途中で辞めてしまうことは、その後の美容師キャリアにも影響は少なくはないでしょう。
②初職を離職後、「美容師」を継続するのは?
「社会人として初めて就職した勤務先から【転職した先】の職業は何でしたか?」という質問では、「美容師」を継続する人は55.4%で、約半数程度に減る結果に。
「美容関連の職業」(10.4%)と美容業界に職種を変えて残る人がいる一方で、「美容関連以外の職業」(27.9%)や「退職後、どこにも就職していない」(6.3%)と美容業界から離れてしまう結果に。
長らく人材不足の美容業界では、初職の早期離職も課題の一つとなっています。
③初職を辞めた/転職した理由は?
「初職を転職した理由」を見ると、「給与に関して不満があったから」が27.8%でトップです。他にも「拘束時間に関して不満があるから」(15.6%)といった職場の労働環境に関する不満が上位に上がります。
このほか「上司(オーナーや店長等)と考え方・意見が合わなかったから」(15.2%)という職場の人間関係も離職の大きな理由になっています。
※2位の「結婚・妊娠・出産のため」(※育休や産休利用は除く)は男性3.6%、女性23.8%と今も女性の大きな離職理由になっています
新卒採用時に求職者とのミスマッチをなくすことで、離職率は下がります。
入社後の待遇改善(アシスタントの生産性アップの仕組みづくりや、教育の工夫によるスタイリストデビューまでの期間の短縮など)が重要となるでしょう。
④現役美容師の離職経験は?
今度は現役美容師に調査した結果を見ていきましょう。
離職経験(美容師を辞めた経験)を聞くと、なんと4割以上が「ある」と回答。つまり一度は離職したあと、美容師として復職していることが分かりました。(産前・産後休業や育児休暇を取得して仕事を休んでいた場合は含みません)