法改正!運転中のながらスマホは罰金に!
自転車にも道路交通法が適用され、以下の行為は違反として取り締まり対象になります。
特に、昨年から一段と厳しくなっているため注意が必要です。
①スマホ操作運転(運転中のながらスマホ)※令和6年11月から!
自転車走行中にスマホを閲覧したり通話したりした場合、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金となりました。
(事故を起こすと1年以下の懲役または30万円以下の罰金)
②酒気帯び運転 ※令和6年11月から!
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
③傘差し運転(片手運転)
3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。
④イヤホンをした運転
イヤホン・ヘッドホンをつけて、周囲の音が聞こえにくい状態での走行した場合、条例違反(5万円以下の罰金)
東京都や神奈川県では、特にイヤホン運転やスマホ運転に対して厳格な取り締まりがされていますが、今後どんどん厳罰化されていくことが予想されます。
自転車に乗って「ながらスマホ」は絶対にやめましょう!

自転車保険に入っていますか?
東京都、大阪府、埼玉県などの34の県では 自転車保険の加入が義務(必須)になっています。
スタッフが自転車保険に加入しないまま事故を起こすと、サロンの管理責任が問われる可能性もあります。
ご自身のサロンが自転車保険の加入が必須の県かどうかを確認し、加入をご検討くださいね!

経営者ができることは事故リスクを減らす対策!
まず、就業規則があるサロンは「自転車利用時の注意義務」や「保険加入義務」を明記しておくことが重要です。
また、通勤ルートの届出を出すことにして、自転車を利用するスタッフを把握しておくことも必要です。
そして、スタッフには交通ルール研修を実施し、標識や交通マナーを理解させるようにしましょう。
また、加害者になってしまう場合に備えて施設賠償責任保険の加入もしておきましょう。
自転車は生身なので被害者になったときも危険!
自転車事故の被害者の側で賠償額が高額だった、ここ数年のケースをご紹介します。
神戸地裁伊丹支部の裁判例です。
自転車が貨物自動車と衝突し、自転車の運転者は自賠責の後遺障害1級と評価され、将来の介護費用を含め約2億8000万円にのぼる損害が認定されました。
(神戸地裁伊丹支部・平成30年11月27日Westlaw Japan 2018WLJPCA11276009)
この被害者の方は、事故当時中学生でしたが、頭部外傷によって意識障害があり、目は開いているものの、言葉を話さず反応がない状態になってしまいました。四肢にも麻痺があり動かず、全介助状態です。
(ちなみに、2億8000万円のうち、1億3000万円が将来の介護費用です)
車と違って自転車は生身のため被害者になった場合には大けがをする可能性がありますので、ヘルメットを着用することも重要です。
さいごに
「自転車だから大丈夫」と油断していると、今回の記事のように、大変なことになるかもしれません。
スタッフの安心と安全のため、自転車利用のルールと管理体制を見直してみてはいかがでしょうか?
それではまた来週!

松本 隆
弁護士/横浜二幸法律事務所・パートナー
早稲田大学法学部、慶応義塾大学法科大学院卒業。2012年弁護士登録(神奈川県弁護士会)。企業に寄り添う弁護士として労働問題を多く扱っており、交通事故や相続にも精通している。また、美容師養成専門学校において「美容師法」の講義を担当しており、美容業界にも身を置いている。社交ダンスの経験も豊富であり、メイクやヘアスタイルにも詳しい。2021年にはメンズ美容のモニターとして100日間チャレンジを行うなど、メンズ美容の重要性も説いている。「髪も肌もボディもケアさえちゃんとすればアンチエイジングは必ずできる」というのがモットー。
横浜二幸法律事務所
▽公式サイト=http://y-niko.jp/
▽TEL=045-651-5115
監修・執筆・イラスト/松本隆(弁護士)

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