
LIPPS(リップス)が、2025年6月30日付で東京証券取引所グロース市場へ上場する。
メンズ特化美容室の上場は史上初。しかしながら「STYLING」シリーズや「LIPPS BOY(リップスボーイ)」による商品事業が売上の約9割を占めるため、市場が拡大するメンズコスメのメーカーが上場を果たすというのが実態。このため業種もサービス業ではなく化学で登録されている。
理美容室の上場企業は6社に、メーカーとしてはアジュバンと同規模

理美容室の上場は、2021年11月にAB&Companyが東証マザーズ(現・グロース)市場に上場して以来のこと。
これで理美容室の上場企業は、キュービーネットホールディングス、ヤマノホールディングス、AB&Company、田谷、エム・エイチ・グループにリップスを加えた6社になる。
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リップスの2025年8月期業績予想は売上高44億800万円のため、田谷(54億4400万円、2025年3月期)とエム・エイチ・グループ(18億7700万円、2024年6月期)の間に割って入る形だ。
業種は化学のため、登録通りにメーカーとして見ると、リップスの売上高はコタ(93億7600万円、2025年3月期)より小さく、アジュバンホールディングス(40億9800万円、2025年3月期)よりもやや大きい。
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美容室「リップスヘアー」は店舗数が28店舗、働く美容師が約500人、来店客数が年間約40万人。この現場の知見を生かして開発した男性用のヘアワックスやヘアケア、コスメの商品事業は、今期で約40億円を見込んでいる。

2022年に野村グループと資本提携
リップスは2022年6月に、野村グループの野村キャピタル・パートナーズと資本提携している。今回の上場の主幹事もグループの野村證券が務める。
この時、レスプリからリップスに社名を変更し、祖業である美容室の直営事業はMBOで譲渡した。現在のリップスの美容室事業はフランチャイズ本部としてのものに留まる。
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業績予想は商品事業が増収、サロンFCは減収
2025年8月期の業績予想は、売上高44億800万円(前年同期比17.2%増)、営業利益9億1000万円(同26.4%増)、経常利益9億600万円(同26.0%増)、純利益6億2900万円(同48.7%増)。
事業ごとの売上高については、商品事業を前年同期比20%増の39億7200万円と見込む一方、サロンFC事業は人材流動の影響などから3.5%減の4億3500万円と予想している。
なお、株数は公募5万に売出し106万500を予定。希望者が多い場合はオーバーアロットメントで最大16万6500株まで追加する。公開価格は6月19日に決定される。

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文/大徳明子
