
50周年記念式典の席上、これまでの感謝と今後の展望を語る中澤社長
関東圏を中心にクロード・モネ、シルクハウスなど15店舗を展開しているティ・ケー・エス。創立50周年を迎えて行われた記念式典の席上、中澤浩子社長は自社の歩みを振り返りながら、創業者やスタッフ、お客さまへの想い、そして今後の展望について語った。
歴史と文脈を受け継ぎ、進化する
創業者である永山美智子会長(故人)が「50周年はどうしましょうか」と数年前、楽しそうに話していたことを思い出す、と中澤社長は振り返った。
コロナ禍を経て、同社は2年前から現在の体制になったが、永山会長が残した「何十年が経っても進化はできる」「最高の心を持って、お客さまのハートに触れよう」といった数々の言葉には、今なお影響を受けているという。「歴代の社長が紡いできた思いを受け継ぎ、その歴史と文脈を壊すことなく進化していくことが私の使命」と述べた。

お客さまの悩み、要望に寄り添いソリューション(解決)を
2024年、自身が社長に就任した当時を振り返り、中澤社長は「自分に何ができるのか」を自問自答する毎日だったという。
若い頃から美容室へ行くことが大好きだった過去を思い返し、美容室から生まれる「明日への活力」が、何物にも代えがたいことに注目。その思いから、2025年の同社は「プレゼンテーションとソリューション」というテーマを定めた。
「美容は間違いなく、ソリューションビジネスです。お客さまの抱える小さな悩み、要望に寄り添い、お客さま自身が想像もしなかったところまでお連れする。こんなに素晴らしい仕事は他にありません」

また「プレゼンテーション」については、スタッフの多くが、自身の長所や得意なことを表現するのが苦手としていることから、全スタッフに自分の長所を書き出してもらい、披露する場を設けたという。つまりスタッフが自己をプレゼンテーションする、そのスキルを高めることも、自社の活動テーマに掲げた。
新たな仲間とのシナジー効果で前進
中澤社長は、2025年6月1日付で「ケーズインターナショナル」を合併したことも発表。新たに「collet(コレット)」ブランドの4店舗がグループに加わった。お客さまを宝石に見立て、より一層輝かせるという思いを込めたブランド「collet」を仲間に迎え、ティ・ケイ・エスグループは進化を続けていく。

自社ブランディングとスタッフのキャリアプランにも注力
かつて、同社創業者の永山美智子氏は「プライベートブランドの重要性」を説いていたという。その思いが「シルクハウス」と「クロード・モネ」の2ブランドで、オリジナルプロダクトに結実。2025年5月からはECサイトもスタートした。
同時に、フランチャイズの仕組みなども含め、スタッフが新たなキャリアに挑戦しやすい環境を整えていきたいと語った中澤社長。美容室のブランディングを図りつつ、スタッフの将来に多様な選択肢を用意するなど、人を大切にするマネジメントで着実に歩みを進めている。

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