
高市首相が進めている食料品の消費税減税。
実はそれによって経営が苦しくなる事業者も出てきます。
今回の「週刊タイパニュース」では、最新の政治情勢について解説していきます。
消費税減税で経営が苦しくなる事業者とは?
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
高市首相が掲げている食料品の消費税2年間ゼロ。
その財源やスケジュールについて話し合う国民会議の先行きが不透明であることは前回も解説しましたが、実はこの消費税減税の仕組みそのものにも大きな課題があります。
事業者によっては逆に経営が苦しくなる恐れもあるのです。
一体どういうことなのか、今回は解説していきます。
外食産業にはダメージ!?
食料品の消費税ゼロによって影響を受ける事業者で一番分かりやすいのは外食産業です。
高市首相は、いま軽減税率(8%)が課せられている食料品に限り、消費税をゼロにするとしていますが、そうすると外食は現在の消費税10%のまま。
食料品はゼロになるのに対して、外食は10%となるため、消費者は外食を忌避するようになり、産業そのものにダメージが出るとみられます。
農家や小売事業者の負担も増大
また、食料品を生産している農家や、販売している小売の負担も大きくなります。
ご自身でお店を経営している人は分かると思いますが、そもそも事業者が国に支払う消費税は、店が消費者からもらった消費税から、仕入れにかかった消費税を差し引いた(仕入れ税額控除)金額です。
例えば、店で作った商品を売って10万円の消費税を客から受け取り、仕入のときに3万円の消費税を支払った場合は、10万円から3万円を引いた7万円が国に納める税額になります。
しかし、食料品の消費税がゼロになると、農家や小売が消費者から受け取る消費税がなくなってしまうため、大きな負担となってしまうのです。

消費税の還付にはタイムラグも…
ただ、仕入れにかかった消費税が、商品販売によって得た消費税よりも大きくなった場合、その差額は国から還付されるという仕組みがあります。
そのため、農家や小売もただ負担増になるわけではなく、負担したお金は後から返ってくるわけですが、しかし、この還付にはかなり時間がかかります。
というのも、納税や還付は年1回の確定申告によって行われるので、タイミングによっては負担した消費税額が戻ってくるまで1年以上のタイムラグが生じてしまうのです。
大手だったら問題ないかもしれませんが、小規模な農家や小売だと、一時的にせよ負担増によって資金繰りが上手くいかなくなり、廃業せざるを得なくなる可能性もあります。
このように食料品の消費税減税は問題点も多々あるわけですが、高市首相は「国民会議で議論します」と言うばかり。
果たして本当に消費税減税は実施されるのか?
さまざまな課題や難題が山積しています。
次回は別のニュースについて解説します!
ぜひ、お楽しみに!

宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)
