④事業者選定の決め手は「丁寧な対応」と「時間の融通」
ご家族やケアマネジャーが訪問美容を委託する事業者を選ぶ基準についても調査しました。

在宅利用者のご家族が事業者を決める際、最も重視したのは「要介護者・要支援者に対して丁寧に対応してくれそう」(52.5%)という点でした。これは何よりもまず、「大切な家族に優しく丁寧に接してほしい」という、ご家族として当然の願いの表れと言えます。
またそれに加え、この「丁寧さ」が求められる背景には、施術場所の実態にも関係がありそうです。施設利用者の54.1%が「多目的ルームやホール」などの共有スペースで施術を受けるのに対し、在宅利用者の場合は77.9%と約8割近くが「リビングなどスペースのある部屋」を利用しています。スタッフを自分たちのプライベートな生活空間に招き入れるサービスだからこそ、技術以上に「この人なら安心してお任せできる」という信頼関係や丁寧な物腰が、選定の条件となっているようです。
また丁寧な対応に次いで重視されているのが、「時間の融通がききそう」(51.9%)という点です。利用者の体調の変化や介護スケジュールの都合に合わせて動いてくれる柔軟な対応力も、大きな決め手となっています。ご本人やご家族の生活環境に深く寄り添う「きめ細かなホスピタリティ」こそが、訪問美容において信頼を勝ち取る鍵といえるでしょう。
⑤社会の変化がもたらす「新しい当たり前」とは?
最後に、私たちのライフスタイルの変化が、訪問美容の現場にどのような「新しい当たり前」をもたらしつつあるかを見ていきましょう。

これまで、支払いの方法としては「現金」が主流でした。それ自体は2025年においても変化はありません。しかし、街中のさまざまなサービスでは「キャッシュレス決済」の利用が進んでいます。
その波は訪問美容の利用者についても例外ではなく、利用者のニーズは少しずつ変化しています。今後も利用したい決済方法として、在宅利用者の3割以上が「クレジットカード」や「コード決済」などのキャッシュレス決済を希望しています。キャッシュレス化への対応は、他社との差別化における強力な武器になりそうです。
また、コロナ禍以降は特に感染症対策への意識も依然として高く、施術スタッフに対して「マスク着用(80.5%)」や「手指消毒(69.2%)」を求める声も根強いです。

高い技術力に加え、こうしたデジタル化への対応や安心・安全の徹底が、訪問美容への信頼を得るためのスタンダードとなっていくでしょう。
■ データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー
■調査期間
2025年10月
■調査対象
ケアマネジャー114名 要支援・要介護の方と同居されているご家族1949名

江頭 茉里
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
えがしら まり/2020年株式会社リクルート入社。前職では英語教育関連の会社にて書籍編集に従事。入社後はスタディサプリENGLISHのコンテンツディレクターを経て、2024年10月より現職。日本化粧品検定1級取得。
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