
ホットペッパービューティーアカデミーは、全国15~69歳の男女を対象に「美容センサス2025年下期」を実施しました。美容意識・購買行動(コスメ)、美容医療、ジム・ヨガ・フィットネスの消費者行動について調査をしています。
「メイクや美容医療は女性の関心事」「男性の美容は一部のトレンドに敏感な若者だけのもの」という印象は、依然として根強いかもしれません。 しかし、最新の調査結果からは、20代男性の美容・健康に対する意欲がかつてないほど高まり、“自己管理の一環”として日常に定着しつつある実態が浮かび上がってきました。
「自分を整える」手段が多様化し、拡大を続けるメンズ美容市場。ヘアケアの枠を超えたサロンでの新たなアプローチや、トータルビューティー提案のヒントになる最新動向を分かりやすくお届けします。
文・作表 田中公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)
目次
①20代男性の3人に1人がメイクを。ベースメイクはもはや「身だしなみ」

今回の調査で、20代男性のメイクアイテム購入率は34.8%と3割を超え、前年から8.9ポイントも増加しました。
若年層男性にとって、メイクは「飾る」ためのものだけではありません。肌荒れやひげの剃り跡を目立たなくする、いわば「マイナスをゼロにする」ための身だしなみの一部として定着しつつあります。

特筆すべきは購入アイテムの内訳です。「下地」(27.3%)や「コンシーラー」(25.9%)といったベースメイクアイテムが大きく伸びています。
美容室においても、ヘアカットのついでに肌の悩みを聞き出したり、さらに簡単なベースメイクを提案したり…というチャンスが生まれていきそうです。
②美容医療の利用率で、20代男性が女性を上回る

美容医療(医療脱毛、美容内科・美容皮膚科、美容外科、審美歯科・矯正歯科)の20代男性の1年以内の美容医療利用率は22.8%に達し、同年代女性の21.7%を初めて上回る結果となりました。男性の間では、美容医療が特別なことではなく、自己管理の一環として「日常化」している様子がうかがえます。
一方、女性の美容医療利用率が減少に転じた背景には、美容手段の多様化が考えられます 。近年の脱毛クリニックの倒産リスクへの警戒や、自宅で使える高性能な脱毛器の普及、セルフ脱毛サロン利用の増加など、選択肢が広がっていることが利用率の分散に繋がったと分析しています。
③男性が求めるのは「痩身」? 美容医療のニーズに見る、男女の意識差


男女で利用される施術内容には明確な差が出ています。女性では「二重の整形」が伸びているのに対し、男性では「痩身」「ホクロ除去・あざやイボの治療・傷跡治療」「目の下のクマ・たるみ取り」といった項目が増加しています 。
特に「痩身」は女性のトップ7には入っておらず、男性によりニーズが高い施術と言えます。男性のお客さまは、顔の造作を変えることよりも、体型維持や清潔感の向上といった「トータルでのメンテナンス」に強い関心を持っているとも考えられます 。サロンでのカウンセリングでも、髪型だけでなく、体型やトータルケアの話題を追加することで喜ばれるかもしれません。
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