④美容医療の単価は低下傾向。広がるライト層と「日常のメンテナンス」化


美容医療の1年間の平均施術費用は、男女ともに低下しています 。これには利用者のすそ野の広がりと、施術自体の低価格化が考えられます。
利用者のすそ野の広がりでは、ライトユーザーの増加で1人あたりの利用金額が減少したと言えるでしょう。また施術自体の低価格化については、施設間の競争激化に加え、韓国での施術(渡韓美容)なども一定の影響があると考えられます。美容医療が低価格化したことで、より「日常のメンテナンス」としての性格が強まったと言えるでしょう。
⑤ジム・ヨガ・フィットネス市場も男性好調。3年連続で拡大中


美容意識の高まりは、身体づくりにも現れています。
「ジム・ヨガ・フィットネス」の市場規模は全体では縮小傾向にあるものの、男性市場は前年比5.2%増と、3年連続で拡大を続けています。

なかでも20代男性の「マンツーマン指導(パーソナルトレーニング)」の利用率は15.4%と前年から大幅に伸びており、プロの指導を受けて効率的に自分を磨きたいという意欲が顕著です。
髪や肌だけでなく、身体まで含めた「外見の自己管理」を徹底する男性像が、2026年のスタンダードになりつつあると言えそうです。
⑥美容・健康への投資は「自己管理の一環」へ。美容室での価値を、いかに提供するか?
今回の調査から、特に20代男性において、美容と健康の両面で「自分を整える」ことが自然な行動になっていることが分かりました 。彼らにとって美容室は、数あるメンテナンス手段の一つです。
お客さまの美容予算は今、ヘアケアだけでなく、メイク、医療、フィットネスへと細かく分散しています。美容室経営においては、この「分散したニーズ」をいかにキャッチするかが重要です。
だからこそ、他ジャンルのトレンドを把握し、「最近トレーニングを始めた」「肌のケアを意識している」といったお客さまの変化にいち早く気づくことが、深い信頼関係を築く鍵となります。多様化するメンズ美容市場は、美容室にとって大きなチャンスでしょう。
■ データ出典
美容センサス2025年下期
■ 調査期間
2025年8月4日(月)~18日(月)
■ 調査対象
Webアンケート調査
全国、人口20万人以上の都市に居住する15~69歳の男女1万3200人(女性・男性各6600人)

田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。
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