経営・業界動向

サインドがマザーズ上場、奥脇隆司社長が会見「ビューティーメリットの拡大余地は100倍」

設立10周年、ファンド頼らずマザーズ上場

2011年10月の設立からわずか11年目のサインドが、ファンドの出資を受けることなく自力でマザーズ上場を果たした。

業績は右肩上がりで、今期(2022年3月期)は初めて10億円を突破して10億5100万円となる見込みだ。

特筆すべきは、その利益率の高さ。利益率1桁の企業も多い中、サインドの今期予想は営業利益率が25.9%、経常利益率が24.4%に上る。

ビューティーメリットは一度契約した理美容室や美容サロンが毎月使い続けるというサブスクリプションモデルのため、積み重ね型の安定した売上増と高収益が見こめる企業体質となっている。

会見に臨む奥脇隆司社長(中央)、高橋直也副社長㊨、亀井信吾取締役㊧

ビューティーメリットのポテンシャルは100倍

上場記者会見の席上、奥脇隆司社長は「ビューティーメリットの拡大余地は約100倍」と事業の成長性に自信を示した。

同社が行政やリサーチ会社の資料を元に算出したところによると、理美容室やネイルサロン、エステティックサロン、リラクゼーションサロンなどの美容サロンをあわせた店舗数は、2018年度で54.7万店舗に上り、さらに拡大を続けているという。

出所:「理美容サロンマーケティング総監2021年版」「エステティックサロンマーケティング総監」(ともに矢野経済研究所)、「ネイル白書2020」(日本ネイリスト協会)、「平成30年衛生行政報告例」(厚生労働省)をもとにサインドが作成

ビューティーメリットの導入店舗は、2021年10月末時点で5600店舗のため、約100倍のポテンシャルがあることになる。

すべての店舗が利用することはないにせよ、業界最大の集客サイトである「ホットペッパービューティー」の利用店舗が11万店舗であることはひとつの目安になりそうだ。

「CX向上」「DX支援」かなえるビューティーメリット

ビューティーメリットが提供する主な機能は、①予約・顧客情報の一元管理 ②ウェブ予約システム ③サロン公式スマートフォンアプリ の3つ。

①予約・顧客情報の一元管理はDX(デジタル技術による変革)を、②ウェブ予約システムはCX(顧客体験)の向上を、③サロン公式スマートフォンアプリはサロン顧客の囲い込みとリピート来店促進をもたらすという。

「ヒトに投資。まずはシェアを伸ばしていく」

「ヒトに投資していきたい」(奥脇社長)

なお、サインドの株価は始値2990円、高値3370円、安値2823円、終値2969円で公募価格の3250円を下回った。

会見で初値について聞かれた奥脇社長は「皆さまの評価は真摯に受け止めなくてはいけない。まずはシェアを伸ばして業績をつくっていく。しっかり事業計画に邁進していきたい」と話した。

また、「上場の大きな狙いは、優秀な人材の確保。ヒトに投資していく。大きくは営業3に対し開発2で考えている」とした。

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