
「普通の美容室」にとって、新卒者の採用が困難になりつつある今、美容学校との関係づくりは必須に
新卒者向けの求人広告を出しても、応募が来ない…そんな美容室経営者の声を聞く。しかし、あきらめるのはまだ早いかもしれない。
2026年春の新卒採用を今から成功させる方法について、美容学校生の就職事情に詳しい仁田隼人さんに聞いた(第1回/全4回)。
美容学校へ行こう
来年春の新卒採用に向けて今、最優先でやるべきこと。
それは、美容学校にアポを取り、学校を訪問することです。
就職指導担当の先生と直接会って、話をするのです。そして、就職先が決まっていない2年生が何人いるかなどの情報を集め、採用へ向けて動き出すのです。
美容室との接点を増やしたい美容学校
美容学校といえば、有名校や伝統校を思い浮かべやすいですが、実際には、設立からの歴史が浅い学校や、知名度が高いとは言えない学校も多数存在しています。
こうした美容学校は、自校の生徒が就職する際に、就職先の選択肢が増えることによって就職率が高まるよう、大小さまざまな美容室とつながりを持ちたいと考えているものです。
ですから、どんな美容室でも、何校かの美容学校と接点を持っていれば、新卒のスタッフを迎え入れるチャンスが増えるわけです。
お店の中でじっと待っているだけでは、新卒の若者は来てくれません。まずは、動くことが肝要です。
学校とのコネクションがなくても大丈夫
いやいや、そうは言っても、学校へ行く時間がないし、知り合いの先生もいない――そんなオーナーや幹部の方もいることでしょう。
けれども、心配は不要です。時間はつくりましょう。そして、つながりのない学校であっても、事前にアポを取って訪問すること自体は、学校側に嫌がられたり、けげんな目で見られることもありません。
新卒の求人で成果を出していくためには、自店の規模に関わらず、美容学校を開拓していく姿勢が大切なのです。
訪問する学校数は、最大10校程度まで。多すぎると、美容室側の肉体的・精神的負担が大きくなり、学校や生徒とのコミュニケーション時にベストなパフォーマンスが出せない、日頃のサロンワークに支障をきたす、といった弊害が起こるためです。
美容学校への電話のかけ方
はじめの一歩は、美容学校へアポを取ることから始まります。その際の注意点をまとめました。
①電話をかける時間
平日午前9〜10時の間に電話をかける。特に初めて電話をかける美容学校の場合は、夕方以降を避ける。
相手が不在の場合、対応が翌日以降にずれ込むため。おすすめは平日午前10時まで。
②OKな時間帯を聞く
サロン名と氏名を名乗り、用件を伝えて、就活担当の先生につないでもらう。
不在の場合は、対応可能な時間を聞く。
③改めて電話をかける
指定された時間に再度電話をかける。
時間を大幅に過ぎてからの電話や、かけ忘れがないよう、注意する。
④面会可能な日時を聞く
近日中(翌週~3週間後くらいまで)に30分〜1時間ほしい旨を伝え、都合のいい日時を3つ程度もらう。
翌日や翌々日を避け、あくまでも先生側のスケジュールに合わせる。
(つづく)

仁田 隼人
RECI代表
にった・はやと/数店舗を経て2009年、美容室RITA(埼玉県)に入社。同社COO(最高執行責任者)に就任し、13年連続売上高120%成長達成に貢献。その後独立してRECIを設立。現在週2日のサロンワークのほか、美容室向けの新卒採用専門オンラインアカデミー主宰、採用・育成・営業コンサルタントなど幅広く活動中。
取材・文/安武 隆、森永泰恵

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