
ホットペッパービューティーアカデミーは、全国20~69歳の男女を対象に「白髪・グレイヘアに関する意識調査2025」を実施しました。今回、調査から白髪染めの市場規模を初めて推計し、その規模は6061億円に上ることが明らかになりました。
また物価高の影響で「自宅染め」が増える一方、サロンへの期待も依然として高く、両者を上手に使い分ける動きが広がっています。調査結果から美容サロン経営のヒントをつかんでいきましょう。
文・作表 田中公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)
目次
①白髪染め市場の実態が数字で明らかに

今回の調査から、2025年の白髪染めの市場規模は6061億円と初めて明らかになりました。そのうちサロン染めが4454億円、自宅染めが1607億円。
サロンが全体の7割超を占めており、白髪染めにはサロン利用が一般的であると言えそうです。
一方で、後述しますが物価高の影響を受けて自宅染めの頻度を増やす人も増加傾向にあります。「サロン」と「自宅」の両方を取り入れるスタイルが拡大しており、ライフスタイルや価値観に合わせてさまざまな方法が選択されていると言えます。
②40代から始まり、60代後半まで続く 長期的な需要が続く市場

白髪染めを始める平均年齢は、男性40.3歳、女性42.9歳、続ける年齢は男性62.1歳、女性69.6歳でした。男女とも20年~30年にわたり利用が続くことから、白髪ケアはライフステージの変化を経ても長期的な需要が続く市場といえます。
40代以降の層が市場の中心を担っていることから、安定した客層を持つメニューとも言えます。年齢を重ねても通い続ける理由があることは、白髪ケアの強みであり、サロンにとっても生涯顧客をつかむきっかけの一つになるでしょう。
③物価高で「自宅染め」が増加 白髪ケア頻度に変化
今回の調査からは、物価高が白髪ケア行動に与える影響も明らかになりました。
理美容室での白髪染め頻度は「減った」(15.5%)が「増えた」(9.2%)を上回る一方、自宅染めでは「増えた」(19.0%)が「減った」(11.1%)を上回る結果に!

節約志向の高まりから、自宅染めを取り入れる人が一定数存在することが分かります。
ただし、これは「サロン離れ」というよりも、“コストの最適化”を意識した行動と考えられます。
次にご紹介するデータからも、お客さまは、品質や仕上がりを求める場面ではサロンを利用し、緊急対応やメンテナンスでは自宅染めを行うなど、使い分けていることが分かります。