美容室×撮影スタジオ×ヘアメイク 年商500億の飲食関連業・テンポスが「サロングラフ」を全国展開

経営・業界動向
美容室×撮影スタジオ×ヘアメイク 年商500億の飲食関連業・テンポスが「サロングラフ」を全国展開

テンポスグループは美容室の内装事業を手がけており、新たに子会社を通じて“撮れる美容室”を全国展開する

国内最大の中古厨房機器業者で東証スタンダードに上場しているテンポスホールディングス(東京都大田区、代表取締役社長:森下篤史)。

2025年12月17日、子会社のサロングラフ社を通じて“撮れる美容室”を全国展開すると発表した。

1700億円市場へ積極展開

新ブランド「salongraph(サロングラフ)」は美容室を併設し、美容師免許を持つヘアメイク担当者が常駐する撮影スタジオ。一般生活者の撮影ニーズと企業の広告・SNSコンテンツ制作をワンストップで請け負う。

同社では、推し活・セルフ写真館・SNSをあわせて1715億円の市場があると見ており、ここを取りに行く構えだ。

新卒限定のアカデミー開校

同時に、アカデミー事業にも乗り出す。美容学校の新卒のみを対象とする「SGアカデミー」を開校し、6カ月648時間の教育プログラムを提供する。

修了後は美容師、民間資格のヘアメイク師、ヘアメイクアップアーティストなどからキャリアを選択できる。

コンテナ式メイクルームや出張メイクも

テンポスホールディングスは、中古厨房機器業者のテンポスバスターズ社を中核に、「ステーキのあさくま」などの飲食事業を営んでいる。この延長線上で飲食店の内装をしており、美容室の内装にも手を伸ばしている。2025年4月期の売上高は470億5500万円で、今期は577億円を見込む。

サロングラフ社は、2019年創業のカプラスが今年7月にテンポスホールディングス子会社のサロンド魔ギ社へ吸収され、11月より現在の社名となった。

abiehair(アビーヘアー)などの美容室運営、 コンテナ内で行う移動式ヘアメイクアップルーム事業、出張ヘアメイク、撮影スタジオのレンタルなどを行っている。現在は創業メンバーの駒﨑由美子氏が代表権のない社長、テンポスホールディングス社長の森下氏が代表を務める。

「三位一体で美容業界の構造改革に挑む」

今回の新事業スタートに当たり、森下代表は「サロングラフの美容室・撮影スタジオ・ヘアメイク事務所の三位一体モデルは、単なる新しい美容室の形態ではない。美容師という国家資格を持つ者の価値と活躍の場を再定義し、美容業界の構造改革に挑む挑戦だ」と述べている。

なお、美容室と撮影スタジオの併設やヘアメイクの常駐については、えがお美容室などの先行事例があるものの、全国での大規模展開はまだない。

「えがお写真館」のスタジオを借りて太田社長を撮影
撮影スタジオとメイクルームを併設したえがお美容室(写真は太田明良社長インタビューより)

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