
LINE公式アカウントが単なるメッセージ配信ツールから「予約・注文・顧客管理・販促を一気通貫する店舗と顧客の接点基盤」へと進化する。
理美容業界に特化した「LINEビューティープラス」、飲食業界に特化した「LINEレストランプラス」をそれぞれ2026年6月より提供する。
LINEヤフーは2026年2月12日、東京・六本木のグランドハイアットで戦略発表会およびデモ体験会を開催し、新サービスを紹介した。
2026.02.12更新(2026.02.12公開)
戦略発表会①「LINEヤフーの目指す飲食・美容業界の未来」
まず初めに、上級執行役員でコーポレートビジネスドメイン ドメインリードを務める池端由基氏が登壇。
全国に飲食店は48万店舗、理美容室は38万店舗あると述べ、双方に共通する課題として、集客、人材不足、物価上昇による売上・利益減を挙げた。

こうした課題を解決するためLINEヤフーはDXを進めていくこと、そのため新サービスを開始することを発表した。
「LINEビューティープラス」は6月のリリース時点では理美容室のみを対象とし、徐々にエステティックやネイルなどにも広げていく。
戦略発表会②「新SaaSサービスのプロダクト紹介」
続いて、グループ会社のLINEヤフービジネスパートナーズ社長で、LINEヤフーではコーポレートビジネスドメインのバーティカルSBU営業ユニットでユニットリードを務める富永翔氏が登壇し、サービスの詳細を説明した。
多くの人がスマホに入れているアプリというのがLINEの強み。2024年の友だち追加数は延べ4億人を上回り、2025年10月時点の月間アクティブアカウントは130万を超える。


さらに予約台帳サービスのトレタ社を子会社化したことで、空席情報に基づいた集客を実現する。
当日に予約がキャンセルされた場合も、予約に空きがあることをLINE公式アカウントの友だちにスムーズに配信できる。


デモ体験会
戦略発表会の後は、飲食店・理美容室向けの新サービスのデモ体験会が行われた。
当日は理美容室や飲食店の経営者らも多く参加し、タブレットやスマホのデモ画面を見ながら熱心に問いかけていた。
編集長の目「ポイントなし。ブランドスイッチ促さずか」
理美容室の予約はリクルートHDの一強。これまで楽天、MIXI、ヤフーといった大企業が参入するもリクルートの牙城を崩すことはできずにいます。ホットペッパービューティー(HPB)の2025年売上高は1260億円、予約流通総額は約1.1兆円に上り、美容サロンの市場規模の4割に相当します。
>> ホットペッパービューティーの流通総額は1.1兆円 美容サロン市場の4割占める
その厳しい市場に登場する新サービス「LINEビューティープラス」で注目したいのは、HPBのようなポイント制度を敷かないという点です。まだ制作中のサービスのため変更の可能性はあるものの、現時点ではポイント配布を考えていないそうです。
折しもHPBのポイント大還元企画「ビビビ祭」が100万予約到達で早期終了したように、一般生活者にとってポイントは大きな魅力であり集客に直結します。しかし一方でサロンの疲弊を招くのも事実です。
現在、LINEからの集客に力を入れているサロンでは独自のクーポンを発行しています。ポータルサイトに左右されず自社の経営判断で適宜発行できるのがよい点です。ポイント目当ての定着率が悪い新規客を避けて固定客として囲い込むのにLINEのサービスは適しているように思えます。
>> 友だち1万人! 「LINEミニアプリ」でリピート増&キャンセル防止 奈良のローカルチェーン美容室・ジャパンプロデュースの成功戦略
>> リピート率9割! 自力集客5倍! 大阪の美容室チェーンMASHUのLINEミニアプリ活用とDX
>> 事前カウンセリングで常連も訪日外国人も円満接客! 「LINEチャット」を駆使する表参道の名店に聞く
ただ、発表会では飲食店向けサービスとして、Yahoo!マップで他の店舗を探せる機能が紹介されました。理美容室向けには今のところ予定していないそうですが、この機能が実装されればHPB同様、ブランドスイッチを促す構造になります。
生活者にとって便利で利点の多いサービスでなければ普及しませんが、サロンを疲弊させる仕組みでは利用者が増えません。リクルートHDもLINEヤフーもこのバランスを見極めながら調整していくでしょう。
サービスの仕様が固まる前、今この時点で要望を伝えていくことが大事だと感じる発表会でした。
■ あわせて読みたい

>> 事前カウンセリングで常連も訪日外国人も円満接客! 「LINEチャット」を駆使する表参道の名店に聞く

>> ネイリービューティー、キャンセル料保証付き&SNS集客特化の予約システムを無料提供

文・撮影/大徳明子
