避難後に襲う災害の恐怖 宮原健太の週刊タイパニュース(16)

特集・インタビュー
避難後に襲う災害の恐怖 宮原健太の週刊タイパニュース(16)

災害が起きた時に、どのように自分の身を守れば良いのか。

前回の「地震取材から得られた教訓」では、実際に熊本地震を取材した具体的な経験について書きました。

今回の「週刊タイパニュース」では、災害の際に大きな脅威となる災害関連死について解説していきます。

熊本地震の取材経験から

こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。

前回、熊本地震では夜中に震度7の地震が二度も起きたことから、車中泊をした人が多くなったという話をしました。

今回は、その車中泊によって起こるエコノミークラス症候群などの災害関連死についてお話します。

とても恐ろしい災害関連死

地震と聞くと、建物の倒壊などの危険が最も大きく、その後に起こる病気などの災害関連死は大したことはないと思うかもしれません。

しかし、熊本地震で亡くなった死者263人のうち、約5分の4にあたる208人は災害関連死によって亡くなっていると言われています。

実は、地震による直接死よりも、関連死のほうが多いのです。

そのため、災害の際には避難後の体調管理にも十分に気を付けなければいけません。

エコノミークラス症候群とは?

そのうちの1つがエコノミークラス症候群です。

最近は災害のたびに注意喚起がされるようにもなってきたので、聞いたことがある人も多いのではないかと思います。

エコノミークラス症候群は、車の座席などの狭い空間にずっと座っていることで、血行不良が起きて血が固まり、それが肺などに詰まって肺塞栓などを引き起こす症状を指します。最悪の場合は死に至る恐れもあるのです。

対策としては、血行を良くするために軽いストレッチをするほか、水分を十分にとることや、眠るときに足をあげるようにすることなどが大切です。

なるべく避難所とは繋がりを

災害時にはなるべく避難所に顔を出すのが良い

また、私が熊本地震を取材した際に得た実感として、なるべく避難所には顔を出したほうが良いと思っています。

車中泊では、単に自宅近くに止めた車に寝泊まりしている人も多かったのですが、避難所では医師が巡回してエコノミークラス症候群についての検査をしていたり、予防のため足の血行を良くするストッキングを配ったりしていました。

避難所には被災者を支援するためのさまざまな情報や物資が集まります。

そのため、車中泊などをするにしても、避難所の駐車場に車を止めるなどして、行政の目の行き届くところで生活するのが無難でしょう。

(もちろん、避難所の規模や駐車場の有無などにもよるので、確認した上で身を寄せてください。場合によっては車中泊用のスペースが設けられることもあります)

次回は、避難や二次避難について解説します。

宮原健太(フリージャーナリスト・記者YouTuber)

宮原 健太

ジャーナリスト、YouTuber

1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。​

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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)

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