地震取材から得られた教訓 宮原健太の週刊タイパニュース(15)

特集・インタビュー
地震取材から得られた教訓 宮原健太の週刊タイパニュース(15)

今年は元日から能登半島地震が発生し、災害の恐ろしさが再認識された1年の始まりとなりました。今も被災地では大変な状況が続き、一刻も早い復興が望まれます。

一方で、首都直下型地震南海トラフ地震なども近い将来発生すると言われており、日本に住んでいる限りは、災害への備えを万全にしなければなりません。

今回の「週刊タイパニュース」では、地震に我々はどう備えるべきなのか、取材経験に基づいて深掘りしていきます。

地震に対してどう備えるべきか?

こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。

石川県などを襲った能登半島地震では多くの方々が犠牲となりました。改めて被災地の皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げます。

大きな地震があるたびに、改めて防災についても考えさせられますが、私たちはどのようなことを想定して、何に備えるべきなのか。

今回は、私の取材経験に基づいてお話をしたいと思います。

被災地で取材してきました

私は新聞記者として、2016年4月に発生した熊本地震や、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震などを現地で取材してきました。

特に、熊本地震が発生したときに私は、隣県の宮崎支局に勤めており、実際に強い揺れを感じると共に、その後は余震が続く中、早い段階で熊本へ応援取材に入っています。

熊本地震によって倒壊した家屋(筆者撮影)

どこで、どう起きるかで課題が変わる

現地で取材して身に染みたことは、同じ地震でも、どこで起きるか、どのように起きるかで課題が大きく変わってくるということです。

例えば、熊本地震では、震度7を観測する地震が立て続けに2回起きました。

1回目は4月14日午後9時26分。そして2回目は4月16日午前1時25分です。

どちらも夜に発生しており、震源に近いところに住んでいた被災者によると、「いきなりベッドから叩き落されるような揺れ」を感じたそうです。

2回も強い揺れに襲われた結果

夜に2回にもわたって強い揺れに襲われた結果どうなったか。

被災地の人たちは、家が無事だったとしても中にいるのが怖くなり、車中泊による避難が急増したのです。

実際、1度目の揺れでは無事で避難していたものの、その後に家へ戻り、2回目の揺れで家屋が倒壊するなどして亡くなってしまう人も多くいました。

どちらも夜に起きたことを考えると、家の中で眠るのが非常に怖くなるのは、容易に想像がつくかと思います。

熊本地震によって1階部分が潰れてしまったアパート(筆者撮影)

さて、その結果増えた車中泊では何が起きたか。

それが、エコノミークラス症候群などによる災害関連死です。

次回はこの災害関連死について解説します。

宮原健太(フリージャーナリスト・記者YouTuber)

宮原 健太

ジャーナリスト、YouTuber

1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。​

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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)

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