【都道府県調査2025】美容室の客単価1位は沖縄の9478円 年間総額1位は東京の3万7044円

経営・業界動向 特集・インタビュー

④ホームケアへの投資が活発なのは福井、石川、三重

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店販の購入率では、福井県が38.2%で全国1位となりました。次いで石川県(37.8%)、三重県・宮崎県(37.0%)と続きます。店販は、顧客満足度を高め、サロンの売上を安定させる重要な収益源です。
なお福井県では、女性の有業率が77.7%で全国1位(令和4年就業構造基本調査結果・総務省統計局)です。外出機会の多さや身だしなみ意識の高さが美容投資を後押ししていると考えられます。

このように美容への関心が高く、ホームケアにも積極的な顧客層がいる地域では、店販購入のポテンシャルが大きいと言えます。施術中のカウンセリングを通じてお客さま一人ひとりの髪の悩みを引き出し、その解決策として商品を提案することが、購入率の向上につながるでしょう。

⑤ネット予約の浸透率が低いエリアはチャンス

サロンの予約方法では、スマートフォンやPCを使ったネット予約が全国平均では64.2%です。予約方法の主流はネット予約で都市部を中心に利用が浸透しています。

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一方で、「電話をして予約」(21.4%)も一定数存在しています。秋田県(36.4%)や山形県(31.6%)のように電話予約の割合が依然として高いエリアでは、ネット予約の利用は低め。

これらのエリアでは、スムーズで使いやすいネット予約システムを導入・アピールすること自体が、競合サロンに対する大きな優位性となる可能性も秘めています。

もちろん、電話予約のニーズにも丁寧に応える体制は維持しつつ、来店時に次回の予約を促すことで、顧客との接点を増やし、安定したリピートにつなげることが重要です。

⑥地域の「美容習慣」を捉え、自店の強みを最大化へ

今回の調査からは、美容にかける金額や時間、重視するメニューなどが、地域によって大きく異なることが明らかになりました。「なんとなく」で捉えがちな顧客のニーズをデータで裏付け、自サロンのあるエリアの特性に合わせたサロンづくりを行うことが、競争を勝ち抜くための第一歩となります。

全国平均や都市部のトレンドだけを追うのではなく、足元の顧客が何を求めているのかを深く洞察し、自店の強みを掛け合わせることで、地域で「選ばれるサロン」を目指せるはずです。

■ データ出典

>> 【都道府県別】15~49歳女性の美容サロン利用実態調査2025

■ 調査期間

2025年2月28日(金)~3月4日(火)

■ 調査対象

全国の15~49歳の女性(回収サンプル数1万8,916)

ホットペッパービューティーアカデミー研究 田中 公子さん

中 公子

ホットペッパービューティーアカデミー研究員

TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。

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