
アカデミーを設立したNumber76CEOの浜口氏(中央)とマレーシア人的資源省技能開発局副局長のアフマド氏㊧、駐マレーシア日本国特命全権大使の四方氏㊨
世界には美容師免許が国家資格ではない国も多い。マレーシアもそのひとつだが、同国では初となる政府公認の美容学校「Number76 Academy(ナンバーセブンティシックス アカデミー)」が2025年11月21日、首都・クアラルンプールに開校した。
日本発のグローバル美容室「Number76」
このアカデミーを立ち上げたNumber76は、2001年11月に東京・南青山で誕生し、現在は日本に1店舗、マレーシアに4店舗、シンガポールとインドネシアにそれぞれ1店舗の6店舗を展開している。
国内よりも海外の方が店舗が多く、日本のサロンも約8割が外国人客というグローバルヘアサロンブランドだ。
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英国ディプロマも取得できる「グローバル美容師育成機関」
教育カリキュラムは、マレーシアの美容師学習指導要領と、日本のサロンで培われたスキルアップトレーニングを融合させている。Number76のトップスタイリストが直接指導を行い、サロンワーク、デザイン、マナー、ホスピタリティを実践的に学ぶ場を設けることで、即戦力として活躍できる人材を育成する。
Number76アカデミーは、マレーシア人的資源省技能開発局により認可を受けた教育機関として、マレーシアの国家技能資格(SKMレベル2) を発行できる。Number76の浜口大介CEOは「日本の美容師教育カリキュラムを導入して公的なディプロマを発行する美容学校はアジアで初めて」と話す。

また、イギリスの教育機関であるハイフィールドインターナショナルからも認定を受けているため、へアドレッシング&ビューティーカルチャーにおけるレベル3のディプロマ(日本の高校卒業に相当)も発行できる。
このイギリスのディプロマも取得することで、UAEやカタール、シンガポール、オーストラリア、欧州各国においても美容師として資格と技術を証明することができるため、「世界で活躍できる美容師の育成機関」と言える。
日系美容メーカー各社が協力
また、Number76アカデミーには、マレーシアに進出している中央有機化学、中野製薬、b-ex、ミルボン、ルベル(タカラベルモント)ら日系美容メーカー各社が協賛。ディーラーもビューティガレージの現地法人とマレーシア最大のディーラーであるNEKDERXが協力する。

開校式当日は、日本国大使、マレーシア人的資源省や技能開発局、スポンサー企業の関係者らが多数参列した。
マレーシアを始め、東南アジア全体で美容師を志す若い世代の不足が課題となっているなか、Number76アカデミーはグローバルに活躍できる人材育成に取り組む構えだ。
さらに、「マレーシアで始まったこの取り組みは、東南アジア全体へと広く波及していく可能性を秘めた、業界横断型の大規模プロジェクト」(浜口CEO)と言い、教育拠点そのものについても、アジア各国への展開を視野に入れている。

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