アルテ吉原直樹会長がとらえる美容室経営の変化

プログレス「美容経営シンポジウム」に700人


アルテ吉原直樹会長がとらえる美容室経営の変化

一般社団法人プログレス(全国美容経営協会)は3月12日、グランドニッコー東京台場で美容経営シンポジウム「未来へつなぐ 10年後のサロン ~消えゆくサロン、生き残るサロン~」を開催した。

昨年3月の設立記念講演会に続き、2回目となるシンポジウムには、全国の美容室経営者ら約700人が集った。

プログレスとは
プログレスの始まりは、19年前に毎月開催されていた美容室経営者の勉強会。リクルート支援やコンテストを通じた教育支援を行う「UNITED DANKS」と統合して一般社団法人ユナイテッド・ダンクス・インターナショナルとなったが、「経営デザインのイノベーションを図り、美容業界のさらなる発展、世界に通じる美容企業創出を図る」ため、プログレス単体で一般社団法人化し、昨年より再スタートを切った。

美容室の経営を4時代でふりかえる

シンポジウムは、アルテサロンホールディングス取締役会長の吉原直樹氏をファシリテーターに、エアーエンターテイメント代表取締役社長の岩田卓郎氏、執行役員ディレクターの木村直人氏、grico代表取締役社長のエザキヨシタカ氏、ケンジ代表取締役会長の本多義久氏、代表取締役社長の西山和平氏というそうそうたる顔ぶれ。

それぞれ自社の理念、経営手法、教育体制、これからの美容業界の方向性について持論を展開した。

美容室経営の変遷

シンポジウムの冒頭、吉原直樹氏は「未来を考えるにあたり、戦後から今日までの美容室経営をふりかえりたい」と述べ、特徴と流れをわかりやすくするため、20年ごとに「職人の時代」「技術者の時代」「ヘアデザイナーの時代」「プロデューサーの時代」と定義した。

「職人の時代」(1945~1965)

1945年の終戦からの20年は、美容師が修行により獲得した技をお客さまに提供し、技への対価をいただいた時代。

この時代の特徴といえる技術は、パーマネントウェーブ。

主に女性美容師が自宅の一部を美容室に改装して、家庭を守りながら、美容の技を提供。個人が行うファミリービジネスだった。

「技術者の時代」(1965~1985)

続いて、テクニックを売る、技術者の時代に。

ヴィダルサスーンのカットは、女性の生き方を変えるほどの影響を与えた。日本でもヴィダルサスーンにあこがれる男性美容師が生まれ、ロンドンのサスーンアカデミーで、そのシステマチックで論理的なカットを学んで帰国した。

美容業は事業になり、独立店舗で展開されるようになった。

「ヘアデザイナーの時代」(1985~2005)

デザインを売る、ヘアデザイナーの時代が到来。

日本人の顔立ちや髪質が深く研究され、より日本人に似合うデザインが開発された。

レイヤーカットやスライドカットなどの技法とヘアカラーがデザインの可能性を大きく広げた。カリスマ美容師が誕生したのもこの時代。

「技術者の時代」に生まれた男性美容師が組織作りを始め、事業を法人化。美容事業が会社化されていった。

「プロデューサーの時代」(2005~2025)

今とこれからを含む4番目の時代は、発信者・プロデューサーの時代。

インターネットは生活やビジネスの核となり、ブランディング、集客、リクルートに当たり前のように活用されている。

美容室のサービスは、ヘアだけでなく、スパ、ネイル、アイラッシュ、メイクアップ、ブライダル、ファッションアドバイスまでのトータルビューティへと多様化。プロダクツの開発・販売も行われるようになった。

自身や事業をブランディングし、発信できる経営者が生まれ、時代をリードしている。

美容室は企業化、エンタープライズ化が進み、さまざまな専門家と、その多様な能力を使いこなせる人が組織に不可欠となっている。

10年後に生き残るサロン

アルテサロンホールディングス取締役会長の吉原直樹氏

「いち早く時代のイノベーションを取り入れ、実用化させた者が生きのびる」

吉原氏は、戦後から今日までの美容室経営の変遷をふりかえり「どの時代にあっても、いち早く時代のイノベーションを取り入れ、実用化させた者が時代の寵児となり、生きのびていった」と指摘した。

その上で「いま・これからの時代の寵児は、10年後、20年後まで生き残ることができるのか? 会社を長きにわたって存続できるのか? 今日のシンポジウムに登壇するのは、そんな問いかけにヒントをくれる3社」と述べ、次のように紹介した。

grico
発信者・プロデューサー時代の旗手であるエザキヨシタカ氏が、多様な事業を展開。

エアーエンターテイメント
ヘアデザイナーの時代に誕生し、プロデューサーの時代に成長を続けている美容室。

ケンジ
技術者の時代に“技術者集団”として誕生し、ヘアデザイナーの時代にカットコンテストチャンピオンなどデザイナーを多数輩出。それぞれの時代にマッチングして事業をつなげているローカルビジネスの美容室。

来年の開催誓う

gricoのエザキヨシタカ氏、エアーエンターテイメントの岩田卓郎氏、木村直人氏、ケンジ(KENJÉ)の本多義久氏、西山和平氏の5人が順に講演。

続いて、登壇者全員のパネルディスカッションに移り「当たり前で根本的なことだが、成功する美容室にはミッション、理念がある。今日の講演で最終的に感じたことだ。なぜ理念がないと駄目なのか」と吉原氏が問いを投げかけた。

「もともと、みんなと一緒にやっていきたいものとして理念をつくった」(本多氏)、「人は迷ったりブレたりする生き物なので、迷ったらもう一度読むことができるものは必要」(岩田氏)など議論を交わし「理念をともにする仲間をつくり、継続できるサロンが生き残る」(吉原氏)と、変わらない大切なものをかかえながら、時代の変化・イノベーションに対応していく重要性を確認した。

布間章裕理事長

プログレスの歩みを語る布間章裕理事長

最後に、布間章裕理事長(株式会社エイエフシー代表取締役社長)が「プログレスは19年前、吉原直樹氏、本多義久氏と私で月に1回の勉強会として始めた。昨年の設立記念講演会に続き、今日2度目のシンポジウムを開催できた。来年も開催したく、変わらぬご指導ご鞭撻をお願いしたい」と参加者に協力を呼びかけ、盛況裏に閉幕した。

 

◆一般社団法人プログレス(全国美容経営協会)
入会希望・問い合わせはメール(info@progress.or.jp)または電話(045-663-6128)まで。
<主な活動内容>
〇会員経営者等の相互の啓発・連携の促進
〇業界発展のためのセミナー・イベント運営
〇グローバル視野を磨く視察・研修の実施

 


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