ユーグレナの2022年12月期第3四半期決算(2022年1月1日~9月30日)は、売上高323億3600万円と前年同期比66.9%増。
2021年6月に子会社化したキューサイなどの収益貢献によって、売上高は大きく伸びた一方、営業損失は22億9700万円となった。
ユーグレナの第3四半期決算
2022年12月期第3四半期(2022年1月1日~2022年9月30日)※連結
■売上高
323億3600万円(前年同期比66.9%増)
■営業利益
△22億9700万円(―)
■経常利益
△11億4100万円(―)
■親会社株主に帰属する四半期純利益
△8億7300万円(―)
※包括利益 △8億8500万円(―)
※調整後EBITDA 24億8800万円(―)
売上高が伸長した一方、キューサイの連結子会社化にともない棚卸資産として計上した含み益を売上原価として費用化した結果、利益はマイナスとなった。
営業利益にのれん償却費などを足し戻した調整後EBITDA※については、前年同期の1億2900万円から24億8800万円へと躍進した。
※編集注:同社の調整後EBITDA(イービットディーエー)は、EBITDA(営業利益+のれん償却費+減価償却費)に助成金収入、株式関連報酬、棚卸資産ステップアップ影響額を加えたもの。EBITDAはM&Aを積極的に実施する上場企業やキャッシュフロー重視の経営やグローバル展開を行う企業で導入されている。
セグメント別の業績概要
ユーグレナの事業構造は、ミドリムシ(ユーグレナ)配合の健康食品や化粧品などによる主力の「ヘルスケア事業」と、廃食油由来のバイオジェット燃料製造などによる「エネルギー・環境事業」の2本柱。
ヘルスケア事業 | バイオ燃料事業 | その他事業 | |
売上高 | 303億3500万円 | 1億6800万円 | 18億3200万円 |
セグメント利益 | △2億7700万円 | △5億5500万円 | △1億9700万円 |
ヘルスケア事業は、キューサイの子会社化によって、売上高が前年同期比160.7%増の303億3500万円と大幅に拡大。
一方、四半期ごとの売上高は減少が続いていたが、今年7月に子会社化したインターネット広告会社・株式会社はこの収益貢献によって、前四半期比で微増となった。
グループ全体で「CONC(コンク)」や「lavita ORGANICS(ラビタ オーガニクス)」など新たなコスメブランドの発売や、既存ブランドの商品ラインアップ拡充を進めており、第4四半期は広告投資を再拡大し、さらなる増収を目指す。
通期の業績予想
ユーグレナは前期より、業績予想を売上高と調整後EBITDAのみ公表している。
2022年12月期(2022年1月1日~2022年12月31日)
■売上高
440億円(―)
■営業利益
―(―)
■経常利益
―(―)
■親会社株主に帰属する当期純利益
―(―)
※調整後EBITDA 21億円(―)
※直近に公表された業績予想からの修正は無し
文/杉野碧