
カット専門店QBハウスなどを展開するキュービーネットホールディングスの2025年6月期決算(2024年7月~2025年6月)は、売上収益が前年度同期比3.2%増の255億4300万円、営業利益は前年同期比20.3%減の16億8500万円となった。
売上収益は前年同期比を上回ったものの、1〜2月の大雪や人員計画の未達により計画に対して99.3%で着地。また、人材育成にかかる人件費の増加により営業利益は減少した。
売上収益、営業利益、税引前利益、当期利益、包括利益
2025年6月期(2024年7月1日~2025年6月30日)※連結
売上収益
255億4300万円(前年同期比3.2%増)
営業利益
16億8500万円(同20.3%減)
税引前利益
14億7800万円(同24.8%減)
当期利益
10億2200万円(同21.4%減)
親会社の所有者に帰属する当期利益
10億2200万円(同21.4%減)
当期包括利益合計額
8億3600万円(同44.8%減)
セグメント別業績
海外子会社の売上が伸びていることから、これまでは「ヘアカット事業」の単一セグメントだったが、今回より「国内事業」と「海外事業」に分けた。
キュービーネットホールディングスは、2024年8月に発表した中期経営計画(2025年6月期~2028年6月期)で海外事業の強化を重要戦略に位置づけ活動を強化。国内事業と海外事業の戦略を明確に分けている。
事業 | 売上収益 (百万円) | 営業利益 (百万円) |
国内 | 20641 (2.8%増) | 1529 (-) |
海外 | 4908 (4.8%増) | 156 (254.4%増) |
主な取り組み
◯ 国内出店は当初計画通り22店舗の純増。新規出店30店、閉店8店。
◯ 国内店舗の施術価格を税込1350円から税込1400円へ改定。一方、月1回の来店で100円割引になるサービス「ツキイチ」を全年齢に拡大。国内事業増収へ寄与した。(2月)
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◯ 国内正社員31名が短時間勤務への変更希望に伴い、短時間営業店舗の開発・出店。平日9〜17時・休日9〜19時までという営業時間設定の「QBハウス清瀬駅北口店」をオープンした。(1月)
◯ 海外事業ではカナダ(8月)、ベトナム(1月)、マレーシア(5月)にそれぞれ1号店をオープン。シンガポールは政府補助金の受領遅れという一時的影響があったものの、全体としては成長トレンドが持続。
◯ アメリカ合衆国で30USドルから35USドルへの価格改定を実施。想定内の失客にとどまり増収に寄与。(1月)
◯ 長年の顧客であるお笑い芸人やす子氏を「QBアンバサダー」に起用した全店販促の強化。(10月)
今後の予定
◯ 国内新規出店数は+4店舗であるものの、四半期ごとにバランスをとった出店計画により通期貢献は前期の2倍程度に増加予定。
◯ 台湾にて価格改定を実施。(1月)
◯ シンガポールではQB PREMIUM(18SGドル)やKids(25SGドル)のサービス単価の高い業態への転換促進。
◯ 国内・海外ともにDX化を推進。アプリ「QBパスポート」を軸に新サービスの拡充を目指す。
◯ 国内育成拠点の拡充および新卒強化を継続。ロジスカットプロフェッショナルスタイリストスクール札幌校を開校。(8月)
通期業績予想
2026年6月期(2025年7月1日~2026年6月30日)※連結
売上収益
273億5000万円(前年同期比7.1%増)
営業利益
22億円(同30.5%増)
税引前利益
20億円(同35.3%増)
親会社株主に帰属する当期純利益
14億円(同36.9%増)
基本的1株当たり当期利益
105.26円
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