ネイルをしない9割に「整える」でアプローチ ネイルセレクトが政策発表

経営・業界動向
ネイルをしない9割に「整える」でアプローチ ネイルセレクトが政策発表

地爪を削らない「paragel(パラジェル)」でネイル市場において大きなシェアを有するネイルセレクト

2026年2月16日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで、ネイルサロン経営者を招いて「ネイルイノベーションサミット」を催し、今年の政策を発表した。

次の成長に向けた“仕込みの年”

まず2月9日に大阪・梅田のインターコンチネンタルホテルで開催され、16日に東京会場とオンラインで行われた。

サミットは政策プレゼンテーション、事業紹介プレゼンテーション、ゲストプレゼンテーションの3部構成。300名収容の大会場の8割ほどが埋まり、オンラインでも約300名が視聴するなか、三宅竜司社長が登壇し、「挑戦と進化」をテーマとする今年の政策を語った。

「パラジェルはネイルサロンの半数で利用いただいている。政策発表会という名前で開催していたころから数えると、もう12回目。皆さんにとって少しでも有意義な時間になれば」と話す三宅社長

また市場の光と影として、市場環境を説明。

日本ネイリスト協会発行の「ネイル白書2025」によると市場規模は拡大基調にあり、2023年時点でネイル産業市場は2047億円(前年比105.3%)、ネイルサービス市場単体で1531億円(同106.0%)、さらに2033年には11.4億米ドルと予測されているという希望を抱ける面を紹介した。

一方、市場の影としては、2024年の倒産件数が過去最多の22件(帝国データバンク調べ)に上ること、参入障壁が低くレッドオーシャンになりやすいこと、コロナ禍対策だったゼロゼロ融資の返済開始、スタッフの定着率が低いことによる人材難などを挙げた。

男性のネイルサロン利用率は3年連続で増加。それでも4.7%であり、未開拓の市場として期待できる

サービス事業である以上、問題は人材と生産性に集約されると指摘。人材については「早期デビュー・早期生産性」と「正しい知識に基づく教育」、生産性は「職業価値の底上げ」と「長期的な顧客関係づくり」が必要と述べた。

さらに「世の中の9割がネイルサロンに行かない。ネイリストはアートを中心に考えてしまうが、整えるなどのケアで9割にアプローチすることが必要」とした。

これを踏まえ、ネイルセレクトの役割と方針として「教育の体系化」「価値向上メソッド」「生産価値の向上」に取り組み、「2026年を次の成長に向けた“仕込みの年”にする」と抱負を語った。

ネイリストのSNSはアートネイルの投稿が多いが、実際のお客さまのほとんどはオフィスシーンになじむネイルを選ぶこと、世の中の9割はネイルサロンに行かないことを指摘。ネイルサロンが提供する価値の基準が変化しているとした
「2000倍まで見られる顕微鏡を導入した。車5台分くらいの値段だが、皆さまの知見を上げる教科書になるデータを提供したい。2枚爪の原因はミドルプレートの乖離や水分・油分の不足など、しっかり情報を提供していく」(三宅社長)

早期生産性、生涯顧客が大切

続く事業紹介プレゼンテーションでは、パーソナル、サロン、セレクティブの各事業部の責任者が取り組みを発表。

「教育の体系化」「価値向上メソッド」「生産価値の向上」を実現するため、教育用のアプリや情報のデジタル化、ケアの新製品などを紹介した。パラジェルフェスは次世代のネイリストを可視化する場として振り返った。

ゲストプレゼンテーションでは、KORAT(コラット)社長の後藤まどか氏が「早期生産性」、AND…NAIL(アンドネイル)オーナーで現役ネイリストの白川麻里氏が「生涯顧客」をテーマに講演した。

「早期生産性の向上について話す後藤氏
「生涯顧客が生涯ネイリストをつくる」と題して話す白川氏

第一線で活躍する経営者の話に、数百名の参加者が聞き入っていた。なお、サミットの終了後は懇親会が開かれ、参加者同士が交流を深めた。

文・撮影/大徳明子

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