13個の質問でシャンプーをパーソナライズ化! マツキヨココカラの新ヘアケアブランド「エムキュア」

特集・インタビュー
13個の質問でシャンプーをパーソナライズ化! マツキヨココカラの新ヘアケアブランド「エムキュア」

ここ数年、オンライン診断で気軽に購入できる、パーソナライズ商品が注目を集めている。自分の髪質や好みに合った商品が購入できると話題だ。

それに伴い、「パーソナライズされたヘアケア商品は、美容室での対面接客があってこそ」という、これまでの常識も変わりつつある。

今春、PB(プライベートブランド)商品に定評がある、ドラッグストア最大手のマツキヨココカラ&カンパニーも、ヘアケア分野のパーソナライズ商品をリリースした。

なぜドラッグストアがパーソナライズヘアケアの分野に参入するのか?  美容業界にどのような影響があるのか?

MCCマネジメント商品開発課の櫻井壱典さんと和田邦美さんに開発背景を聞いた。

①13の設問から導き出す、最適なシャンプー・トリートメント

―― 最近、トレンドに敏感な顧客の間でパーソナライズシャンプーが話題です。マツキヨココカラさんからもパーソナライズのヘアケアブランド「エムキュア」が4月に発売されました。どのような仕組みなのですか?

和田 エムキュアは、ネイチャーラボグループの研究開発部門であるセルラボ、ジェネシスヘルスケア社と共同開発した商品です。セルラボには生活習慣に基づくヘアケアのパーソナライズについての知見、ジェネシスヘルスケア社には多くの遺伝子研究データがあります。

購入いただく際は、髪の長さやご家族の髪質など、13の設問に答えていただき、オンラインでカウンセリングを行います。

その結果を元に、その方の遺伝子データや生活習慣を掛け合わせ、最適な成分を配合した商品にお好みの香りをつけてお届けします。

13個の質問でシャンプーをパーソナライズ化。マツキヨココカラから新ヘアケアブランド「エムキュア」誕生 パーソナライズのシャンプー・トリートメント「エムキュア フォー ユー」
パーソナライズされたシャンプー・トリートメント「エムキュア フォー ユー」

―― すでに用意されている何種類かの中から最適なものを選ぶのではなく、一人ひとりに合わせて成分をブレンドするということでしょうか?

和田 そうです。カウンセリングを受けていただいてから、最適な成分を配合してつくります。混み具合にもよりますが、商品のお届けまで1~2週間ほどお時間をいただきます。

―― 配合のパターンはどのくらいありますか?

櫻井 実際に何パターン用意しているのかはお答えできないのですが、約35万通りの処方実績の中から、よりすぐりの組み合わせを選定しています。

―― 製品の主成分は?

和田 ケラチン、セラミド、ペプチド、うるおいフローラ、この4つが処方の軸になっています。

現代の日本人のヘアケアの2大悩みは、「頭皮の乾燥によるかゆみなどのトラブル」と「髪の毛のダメージ」です。そこで、頭皮と髪の両方にうるおいを与えられる成分を選びました。

②3400店舗の販売実績、1億3300万人の顧客接点をパーソナライズ商品に活かす

―― パーソナライズビジネスは顧客への認知や展開が難しいと聞きます。なぜこの分野に挑戦されたのですか?

櫻井 たしかにパーソナライズ商品を展開するには、消費者に商品を知っていただくため、通常は初期に莫大な広告投資が必要です。商品がリピートされないと、この投資費用の回収が難しくなります。

しかし、我々は「マツモトキヨシ」「どらっぐぱぱす」「ココカラファイン」などを合わせて全国で3400店舗を展開し、多くの会員さまを抱えています。

つまり、パーソナライズ商品を購入いただけそうな、いわゆる見込み客を特定できるアセットを持っているわけです。これをうまく活用すれば、商品の認知を効果的に広めることもできると考えています。

マツキヨココカラのグループ理念を語るMCCマネジメント商品開発課次長の櫻井壱典さん

―― 見込み客の特定とは、マツキヨココカラグループのお客さまの中で、ヘアケアに興味がある方を特定できるということでしょうか?

櫻井 はい。正確にいうと、「ヘアケアに興味がある」というよりも、もう少し解像度の高い見込みのお客さまを特定することができます。

当社には、薬剤師や管理栄養士、ビューティースペシャリストが常在し、お客さまそれぞれに合ったサプリメントやビューティーケアをアドバイスする「matsukiyo LAB(マツキヨ ラボ)」という店舗があります。

2015年に第1号店を出店し、現在は30店舗ほどになります。マツキヨ ラボのサービスを利用しているお客さまは、そのサービス特徴を踏まえると、パーソナライズに興味のある方と想定できるので、エムキュアも受け入れてもらいやすいと考えています。

また、顧客の特性を知るために、商品に“意識スコア”をつけています。

購入商品から、その方の買い物に対しての価値観や、美容・健康への意識、情報感度などが数値化されるため、類似の顧客特徴を分析することができます。つまり、この類似の顧客特徴を持つお客さまが、全国に見込客としてどのくらいいらっしゃるのかを特定できるのです。

―― 見込み客に対しては、どのようなアプローチができるのでしょう?

我々はアプリ会員やLINEの友だちなど、1億3300万人以上の顧客接点があり、購買データを蓄積しています。

それらのデータを利用して、お客さまに対して、ダイレクトマーケティングが可能です。

例えば、シャンプーを購入された方に、そのシャンプーが無くなるタイミングで「シャンプーの使い心地はいかがでしたか?」といったメッセージを送ってリピートを促したり、新商品を案内したりすることができるのです。

―― なぜパーソナライズ分野のPB商品のスタートにヘアケアを選んだのでしょうか?

櫻井 今あるパーソナライズビジネスを調査した結果、ヘアケアが一番成功しているのではないかと感じたからです。

スキンケアのパーソナライズ商品の場合は、クレンジングや洗顔料、化粧水、乳液、美容液など、さまざまな種類を組み合わせて提供する必要があります。

種類が多すぎると、お客さまに納得いただける商品をご提供するのが、なかなか難しいかなと。

一方で、ヘアケアの基本の組み合わせは、シャンプーとトリートメントなので、非常にシンプルです。

その中で、お客さまに合った成分や香りを提供することは、実現性が高いと感じました。

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