細川護熙さんの描く「京洛の四季」 ポーラ・ミュージアム・アネックスで襖絵展示

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細川護熙さんの描く「京洛の四季」 ポーラ・ミュージアム・アネックスで襖絵展示

ギャラリートークで制作過程を熱心に語る細川さん

元首相・細川護熙さんが京の四季折々の遠景を描いた襖絵が、ポーラ ミュージアム アネックス(東京・銀座)を飾った。24面におよぶ大作は、見る者を圧倒していた。

京の春夏秋冬を描いた全24面の襖絵

60歳を機に政界を引退して作陶や書画、油絵など多岐にわたる創作活動を始めた細川さん。

2014年には、「四季山水図襖絵」を京都・建仁寺塔頭正伝永源院へ奉納した。京の春夏秋冬を描いた「知音(ちいん)」「渓聲(けいせい)」「秋氣(しゅうき)」「聴雪(ちょうせつ)」はそれぞれ6面から成り、全24面におよぶ大作だ。

細川さんが襖絵をはじめた初期の作品であり、2023年9月15日から1カ月にわたり開催された「京洛の四季」で、およそ10年ぶりに外部で公開された。

高さ185×横幅960㎝の襖絵。春を描いた「知音」(作・2013年 墨、顔彩、和紙、縁木神代欅)
細川護熙氏の襖絵 建仁寺塔頭正伝永源院所蔵 四季山水図「渓聲(けいせい)」
夏を描いた「渓聲」(作・2013年 墨、顔彩、和紙)
秋を描いた「秋氣」(作・2013年 墨、顔彩、和紙)
冬を描いた「聴雪」(作・2013年 墨、顔彩、和紙)

写生ではなくイメージから制作

展覧会の会期前にはメディアや関係者らを対象にギャラリートークが催され、細川さんが自身の作品を解説した。

「知音」は「夜桜と月の光の対話を描いた」という細川さん。幼少期に木のぼりをしたり、鳥の声や虫の姿に興味を抱いたりした体験が感性を育んだ。

「京都を何度も訪ねて描き上げた」と話す細川さん

比叡山や大文字山、鴨川などを描いた襖絵は、実際に目に見える風景とは違うところもあるが「写生ではなくイメージで制作した」という。

建仁寺では別々の間に据えられているため、全24面をギャラリー内で一望できる壮観な展示となった。

襖絵の見どころを語る細川さん

草花や虫がモチーフの漆絵も

また、細川さんがここ数年制作に熱を入れている漆絵も展示され、注目を集めていた。

油絵用のキャンヴァスに金や錫(すず)も用いて蓮の花と葉を描いた漆絵
トンボやムカデ、蝶などの虫をモチーフに取り入れた漆絵
エビネの花の葉の下にムカデがのぞく「エビネとムカデ」(作・2022年、33×33cm カンヴァスボード、漆、金、錫)

編集・取材・文・撮影/大徳明子 ※「知音」「秋氣」「エビネとムカデ」はオフィシャル提供

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