【多様化する美容室の形態】業務委託サロン、シェアサロン、美容室モール

美容室の経営戦略

2019.11.22

美容室の形態

2019.11.22更新(2019.11.16公開)
※シェアサロンにQnoir、グランストーリーサロンを追加

多様化する美容室

美容室はいま、多様化が進んでいます。

美容室の多様化は働き方の多様化でもあります。業務委託サロン」や「シェアサロン」が急成長を遂げ、新しいカタチのサロンである「美容室モール」も台頭しています。

これらは美容室の経営戦略を立てる上で見逃せない変化です。そこで今回は、多様化する美容室の形態をまとめました。

 業務委託サロンシェアサロン美容室モール
サロンと美容師の関係雇用ではなく、業務委託契約を交わすフリーランス美容師が月額やスポットで利用料を支払うそれぞれが独立したオーナー
マネー成果報酬型(歩合給)。還元率はフリー40~50%、指名50~60%程度のケースが多い利用料は「時間貸し+売上歩合」「時間貸しのみ」もあるテナントの賃貸料を払う
集客サロンが行うため、顧客を抱えていない美容師でも働きやすい美容師自身で行うため、顧客を抱えている美容師向け(最近は、シェアサロンによる集客支援の試みも始まっている)美容師自身で行うため、顧客を抱えている美容師向け(美容室モールとしての集客支援も準備を進めている)
メニュー内容・料金サロンで統一自由に設定できる自由に設定できる
代表事例

Agu.ALBUM(※ハイブリッド型)、AUBE、HEADLIGHT、Eleanor

GO TODAY SHAiRE SALON、AIR SALON、EMANON、シェアサロンF、FBeauty、Qnoir、グランストーリーサロン

THE SALONS、SOLA SALON STUDIOOS(米)

業務委託サロン

業務委託サロンとは、スタッフと雇用関係が無く、主にフリーランス美容師と「業務委託契約」を交わす美容室。

業務委託サロンの特徴

・【サロンと美容師の関係】雇用ではなく、業務委託契約を交わす

・【マネー】成果報酬型(歩合給)。還元率はフリー40~50%、指名50~60%程度のケースが多い

・【集客】サロンが行うため、顧客を抱えていない美容師でも働きやすい

・【メニュー内容・料金】サロンで統一

業務委託サロンの懸念点

・業務委託であるにもかかわらず「事実上の雇用契約」になってしまっているケースが散見される

関連記事弁護士に聞く「美容室の業務委託契約」の注意点

・「インボイス制度」が始まると、免税分をメリットとしていたフリーランス美容師は打撃を受け、業務委託サロンは人手不足に陥る恐れがある

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主要な業務委託サロン

業務委託サロンの出店スピードは、目を見張るものがある。最大手のAgu.は400店舗を突破し、目標は国内1000店舗。また、ALBUMが正社員と業務委託のハイブリッド型で躍進している。

 

Agu.(アグ)

・株式会社AB&Company(東京都新宿区/代表取締役:市瀬一浩)

・サロン:Agu.

・創業:2009年(株式会社AB&Companyは2018年設立)

・店舗数:403店舗(2019年9月末時点)

・HP=https://ab-company.jp/

※国内最大手の業務委託サロン。2018年に100 億円超の出資を受けて投資ファンドと資本提携

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ALBUM(アルバム)

・有限会社オニカム(東京都渋谷区/代表取締役:槙野光昭)

・サロン:ALBUM

・創業:2014年

・店舗数:5店舗(セカンドブランド店含む)

・HP=https://www.album-hair.com/

※正社員を雇用する従来のブランド型サロンと業務委託サロンのそれぞれの良さを活かしたハイブリッド型。「価格.com」の創業者である槙野光昭氏が立ち上げ、Instagramの活用でも知られる。album_hairのフォロワー数は2019年11月15日時点で46万2000人。新宿店は、ホットペッパービューティー経由の年間売上総額トップ

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AUBE(オーブ)

・株式会社 A’Group (東京都港区/代表取締役:坂井一裕)

・サロン:AUBE HAIR

・会社設立:2009年

・店舗数:216店舗(国内の美容室・アイラッシュサロンは約180店舗)

・HP=https://www.aube-hair-group.com/

※海外進出も盛んで5カ国10店舗を出店。飲食店も展開する

 

Ursus hair Design(アーサスヘアデザイン)

・株式会社ヘッドライト (東京都中央区/代表取締役:髙橋 健介)

・サロン:Ursus hair Design(アーサスヘアデザイン)、Moana by HEADLIGHT、soen by HEADLIGHTなど

・創業:2007年(株式会社ヘッドライトは2009年設立)

・店舗数:130店舗(2019年11月現在)

・HP=https://headlight-inc.com/

※2016年からカラー専門店の展開に乗り出した。アイラッシュサロンも展開

 

Eleanor(エレノア)

・株式会社mirror ball (東京都品川区/代表取締役:中野剛志)

・サロン:Eleanor(エレノア)、TOCCAなど

・創業:2008年

・店舗数:42店舗(※うち5店舗はシェアサロンEMANON)

・HP:https://www.co-mirrorball.com/

※2019年に入り、シェアサロンへも業容を拡大。3月に銀座、梅田、5月に新宿、吉祥寺、9月に大宮と矢継ぎ早に5店舗を出店

シェアサロン

ビジネスモデルとしては、米・WeWorkなどシェアオフィスの美容室版。シェアリングエコノミーが流行りのビジネスモデルであることや効率的な運用にはシステムの活用が欠かせないことなどから、勝機ありと見る異業種の参入が活発となっている。

シェアサロンの特徴

・【サロンと美容師の関係】フリーランス美容師が月額やスポットで利用料を支払う

・【マネー】利用料は「時間貸し+売上歩合」も「時間貸しのみ」もある

・【集客】美容師自身で行うため、顧客を抱えている美容師向け(最近は、シェアサロンによる集客支援の試みも始まっている)

・【メニュー内容・料金】自由に設定できる

主要なシェアサロン

IT業界や不動産業界からの参入が盛んで、特に勢いのあるGO TODAY SHAiRE SALONは累積で3億円超の資金を調達。2022年秋頃をめどに全国100店舗の展開を目指している。

 

GO TODAY SHAiRE SALON

・株式会社GO TODAY SHAiRE SALON (東京都渋谷区/代表取締役:大庭邦彦)

・設立:2016年(1号店は2017年出店)

・店舗数:13店舗(2019年11月時点)

・HP=https://www.shairesalon-go.today/

※美美美コム創業者の大庭邦彦氏が美容師のオオイケモトキ氏らと立ち上げたシェアサロン。目標は2022年秋頃をめどに全国100店舗。

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AIR SALON

・株式会社Airsalon (東京都渋谷区/代表取締役:阿部竜作)

・設立:2016年

・店舗数:8店舗(2019年3月時点)

・HP=http://airsalon.net

※GREE、mixiを経て独立した阿部竜作氏が設立したシェアサロン。ウェブサイトのAIR SALONは、面貸しサロンのためのポータルサイトという位置づけで、米国発の民泊マッチングサイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」の美容室版という構想

 

EMANON(エマノン)

・株式会社mirror ball (東京都品川区/代表取締役:中野剛志)

・店舗数:5店舗(2019年11月現在)

・HP:https://www.co-mirrorball.com/

※業務委託の大手であるミラーボールが2019年に入り、シェアサロンへも業容を拡大し5店舗を出店

 

★店舗数は1~2店でも注目のシェアサロン★

シェアサロンF

・設立:2017年

・店舗数:1店舗(2019年11月時点)

・HP=https://sharesalonf.com/

※オンラインサロン『NO LIMIT』のオーナーでもある西川礼一氏(ALIVE代表)によるシェアサロン

 

FBeauty

・設立:2018年

・店舗数:2店舗(2019年11月時点)

・HP=http://fbeauty.co.jp/

※ITコンサルティング企業(東証一部上場企業の100%子会社)の社長である杉本好正氏が会長を務めるシェアサロン

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★複合型シェアサロン★

Qnoir(クノア)

Qnoir

・創業:2019年

・店舗数:1店舗

・HP=https://www.qnoir.com/

美容室だけでなく、エステ、スタジオ、ネイル・まつげエクステなどさまざまな施設が一つのフロアに入っている複合型のシェアサロン。語学教師や占い師も利用している。2019年10月に1店舗目が青山にオープンしたばかり。
東証一部上場・KLab株式会社の創業者で現会長の真田哲弥氏が社長を務める。真田氏は投資家としての出資で、事業を発案した実質的な運営者である角田千佳取締役は、CtoCでのスキルシェアを提供するエニタイムズの社長。
エニタイムズのノウハウを生かし、クノアのオープンと同時に専用アプリをリリース。アプリでは、クノアを利用する美容のプロの部屋取りや清算、一般消費者からの予約などを行っている。

★不動産会社が運営★

グランストーリーサロン

・設立:2017年12月

・店舗数:2店舗(代官山・千駄ヶ谷)

・HP=https://grandstory-bs.jp/

運営を担う株式会社フェイスネットワークは、東証マザーズ上場の不動産会社。
24時間365日使える美容系シェアサロンとして、美容室だけでなく、ネイル、アイラッシュ、パーソナルカラー診断士のオフィスとしても利用されている。

美容室モール

美容室モール「THE SALONS」銀座店

THE SALONS銀座店のフロアマップ。A~Kまで11の異なる店名のサロンが入る

1つのフロアに個室型サロンが複数入る「美容室モール」は、日本では今年5月に誕生したばかりの新モデルだが、アメリカでは、450店舗以上を展開しているSOLA SALON STUDIOSという大成功モデルがある。

美容室モールの特徴

・【サロンと美容師の関係】それぞれが独立したオーナー

・【マネー】テナントの賃貸料を払う

・【集客】美容師自身で行うため、顧客を抱えている美容師向け(美容室モールとしての集客支援も準備を進めている)

・【メニュー内容・料金】自由に設定できる

 

THE SALONS

・The Salons Japan株式会社 (東京都世田谷区/代表取締役:清水秀仁)

・設立:2018年(1号店は2019年出店)

・店舗数:1店舗(2019年11月中に2店舗目がオープン予定)

・HP=http://www.thesalons.co/

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