④「ホームケアはどうしたらいい?」に応える店販

そもそも店販商品は、お客さまが日常的に家で使うために購入するものです。サロンに行っている時間だけでなく、自宅でもうまく自分のケアをしたいという気持ちは誰もが持っているでしょう。
この傾向は外出が制限されたコロナ禍で特に高まり、現在でも続いていると考えられます。
このホームケアに関して求めることを調査したところ、「自分に合ったケア方法を知りたい」「自分に合った商品を知りたい」と回答した人がそれぞれ全体の約3割ほどを占めました。
また、日常的な行動に直結することであるためか「なるべく短時間でケアをしたい」という声も多く見られました。
サロンであれば、専門知識を持ったスタッフがケアに関するアドバイスを行う役目を果たすことで、お客さまの「知りたい」気持ちをきちんと満たすことができそうです。
商品を売るというよりも、お客さまの悩みを一緒に解決する気持ちで商品を紹介することで自然と購入にもつながっていくのではないでしょうか。
⑤「お客さまの気持ちに寄り添う」ことが店販戦略のカギ
ここまで、美容サロンにおける店販について、お客さまがいつ、どのような気持ちで商品の購入を考えているのか、店販を購入いただくことはサロンにとってどんな意味を持つのかについて紹介してきました。
店販商品を買うにあたっては、当然、商品の質やもたらす効果を重視するものです。事前に調べた結果として購入を視野に来店するということは、サロンが扱う商品の質に大きな期待を持っています。
実際の来店時には、スタッフがその期待や興味を大切にし、気持ちに寄り添った適切な案内を行うことで最終的に購入に至ります。
この「商品自体の高い品質」と「専門スタッフによるアドバイス」を同時に満たせることこそが、サロンにおける店販でしか出せない価値であるとも言えます。
店販は単に「商品を売るという行動」ではなく、お客さまとの関係性を深める大きな可能性を秘めたものです。
この一連の購入体験が良いものであればあるほど、お客さまからの信頼が獲得でき、来店自体のリピートにもつながります。
「もっと美しくなりたい」という根本的なニーズに応え、ホームケアまで含めたトータルな美容体験を提供する意識で取り組むことが結果的にサロンの売上拡大、成長の鍵となるでしょう。
■ データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー
■調査期間
2025年2月
■調査対象
<スクリーニング調査>15歳以上3300人
<本調査>美容サロン1年以内利用者2513名 ※美容室、理容室、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションサロン、アイビューティーサロンのいずれか

江頭 茉里
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
えがしら まり/2020年株式会社リクルート入社。前職では英語教育関連の会社にて書籍編集に従事。入社後はスタディサプリENGLISHのコンテンツディレクターを経て、2024年10月より現職。日本化粧品検定1級取得。
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